ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

89歳現役のプロパイロット高橋淳さんの生き方

 2011年12月16日の朝日新聞に「飛行機の神様は89歳現役 東京の高橋さん、国内最高齢、飛行2・5万時間・無事故」という題の記事がありました。
 その高橋さん大正生まれです。18歳で海軍飛行予備練習生となりました。そこで基本的技術を叩き込まれ、太平洋戦争という修羅場を奇跡的に潜り抜けました。特に最後の沖縄戦では、鹿児島出水基地を飛び立ったとあるので、これは神風特攻隊の一員としての出撃だったのでしょう。でも高橋さんは「何があっても生きて帰る」という事を目標に、飛行前・飛行中も必ず点検・再点検を繰り返していました。百田尚樹著『永遠のO(ゼロ)』における主人公宮部久蔵(http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/20111005/1317785695)を地で行くような人です。
 この基本に忠実という事が、結局は無事故、生還に繋がったのでしょう。昨今安易さ・手抜きを好み、愚直さを追い求めない若者たちが増えているようです。
 高橋さんは戦後日本飛行連盟に加入し、ベテランのパイロットとして後継者の育成や、航空撮影、空からのビラまき、映画の撮影協力…と幅広く活躍して来ました。最近は災害や事故時の物資(そして負傷した人々も?)搬送で需要が多くあり、その仕事も現役として張り切ってこなしています。
 そして今日に至るまでの通算飛行は約2万5千時間とありました。それがどの程度か私には分かりませんが、全日空広報室の情報では、2万時間を越えたパイロットはほとんどいないという事ですから、いかに凄いか或る程度想像出来ます。
 現在の高橋さんの目標は何か?記事にありませんからこれも想像ですが、たった一人現役で通算飛行が2万6千時間と、高橋さんより千時間多い人がいるそうですから、おそらく89歳とはいえ、体調を十分に管理し、この記録を破るべく歩んでいるのではないでしょうか。
 この確かな腕前で、高橋さんは「飛行機の神様」と呼ばれているそうです。でも本人に言わせると、「完璧はない」という事で、今でも飛ぶごとに反省しています。
 この記事を読んでただちに浮かんで来る聖書の人物がいます。それは伝道者パウロです。
 「私は、すでに得たのでもなく、すでに完全にされているのでもありません。ただ捕えようとして、追求しているのです。そして、それを得るようにとキリスト・イエスが私を捕えてくださったのです。兄弟たちよ。私は、自分はすでに捕えたなどと考えてはいません。ただ、この一事に励んでいます。すなわち、うしろのものを忘れ、ひたむきに前のものに向かって進み、キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです」(ピリピ3:12−14)。
 パウロキリスト教徒迫害から、復活のキリストと出会い劇的な回心をしました。以後彼ほど伝道を多くした人はいませんが、それでも彼は謙虚でした。「伝道の神様」などと呼ばれたらおこがましいという返事が即座に返ってきそうです。それで彼も自分は完全ではない、神の栄冠を得る為、目標を目指して一心に走るのみと言っています。高橋さんと同じです。命がけでやっている人には慢心は禁物ですね。パウロは結局走りぬいてローマで処刑され、その瞬間に天国で主からよくやった!と労われ、神の栄冠を頂きました。