ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

強い不安を抱いている人の苦痛を減らすのに音楽傾聴は効果がある

 2012年1月5日のサイエンスデイリサイトでは、上記の題でユタ大学痛み研究センターの研究者たちによる論文内容が紹介されていました(http://www.sciencedaily.com/releases/2012/01/120105161750.htm)。元の雑誌は「傷みのジャーナル」です。但し研究論文はその要約しか閲覧出来ないので、ネットからこの論文を紹介した他の複数のサイトを参照しました。
 苦痛を減らすのに効果のある音楽療法については、比較的良く知られていますが、今回のユタ大学の研究内容は2つほど新しい事実が加わっています。
 今回の実験では143人の健康なボランティアに協力してもらいました。彼らには中枢神経系覚醒と末梢神経系覚醒の指標となる低圧電気ショックによる刺激を、手の指先に受けながら、様々なタイプの音楽を聴いてもらい、普通でない音色を特定してもらう作業も行なわれました。
 指先の痛覚は末梢神経から伝わり、脊髄視床路というところを通って(上行性伝導路)脳に達するわけですが、この痛覚伝導路は、音楽を聴いてそれを中枢に伝える感覚性伝導路と大いに競合し、後者の方が優勢であるという事実がまず明確になりました。痛みの刺激による中枢神経系の覚醒が、音楽作業の要求増加と共に、確実に減少していたのです。ですから音楽は痛みを減らす為に、知的にも感覚的にも有意に関与していたという事になります。
 2番目はそれと関連していますが、研究者たちの最初の仮説と大いに異なりました。つまり彼らは最初苦痛について強い不安を抱えている人々の場合、音楽傾聴作業に夢中になれる力は妨げられるだろうと予測していたのです。ところが実際はそうではありませんでした。苦痛に対する相当な不安を抱いている人々は、大いに音楽傾聴作業に関わりを持ち、そうでない人々のほうがその作業に従事する力を減らしていたらしいという事なのです。不安である事と夢中になれるという事の相互作業が新発見となりました。これは痛み解放の戦略として、これから積極的に採用されるでしょう。特に歯医者で治療してもらう時の、あの何と言ってよいか分からない不安、麻酔が効かなくて飛び上がってしまうのではないかという恐れは、iPODの音楽をヘッドフォンで耳にしながら臨むとよさそうです。
 研究チームの指導者デイヴィッド・H・ブラッドショー博士は、どんなジャンルの音楽でも対して重要ではないと言っていますから、これからは手術室でモーツアルトの音楽ばかりBGMとして流さなくてもよさそうです。
 こうした研究はキリスト教の礼拝で必須の賛美歌でも言えそうです。キリスト者は聖書によればいつも大きな試練に曝されます。もし「恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。わたしはあなたを強め、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る」(イザヤ41:10)といったみことばを忘れ、世の中のほうに目が行ってしまい、ずぶずぶその嵐の中に沈んでしまいそうな大きな不安が生じた時、聖歌や賛美歌のCDやカセットで、勢いのある賛美を聴くと、だいぶ元気回復して来ます。
 聖歌694番にもある詩篇100篇は一例です。「全地よ。主に向かって喜びの声をあげよ。喜びをもって主に仕えよ。喜び歌いつつ御前に来たれ。知れ。主こそ神。主が、私たちを造られた。私たちは主のもの、主の民、その牧場の羊である。感謝しつつ、主の門に、賛美しつつ、その大庭に、はいれ。主に感謝し、御名をほめたたえよ。主はいつくしみ深くその恵みはとこしえまで、その真実は代々に至る」(詩100:1−5)。