ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

寒い冬と暑い夏

 2012年1月15日のCTVニュースサイト(http://www.ctvbc.ctv.ca/servlet/an/local/CTVNews/20120114/bc_warm_summers_cold_winters_120114/20120114/?hub=BritishColumbiaHome)に、「暖かい夏は、寒い冬をもたらすかも知れない」といった題の記事がありました。
 私たちは夏になれば暑い暑いと言い、厳冬になれば寒い寒いと言ってつぶやきます。地球温暖化論議が盛んですが、実際はどうなのか、その被害に会っている地域でも行かない限り、実感出来ないというのが本当のところではないでしょうか。
 このサイトでは「北極振動」という気象専門語が使われています。この言葉を最初に知ったのは、中学時代の友人で東大を出た後カナダで勉強し、北大で迎えられ近頃退職したM・I君が、北大教授の時そのホームページか何かで論文を発表しているのを見かけてからです。
 このサイトの書き出しはこうです。「研究者たちは春・夏・秋の温度上昇が、実際には北米の冬の冷えをもたらしていると言っている。なぜならシベリアの降雪と、北極振動と呼ばれる極地地方の気圧のパターンがあるからである」。サイトの定義を見ますと、1998年にワシントン大学のトンプソン博士とウォーレス博士が命名したとあります。ウイキペディアによりますと「北極と北半球中緯度地域の気圧が相反して変動する現象のことである。テレコネクション(大気振動)の一種で、気温や上空のジェット気流流路等にも変化をもたらす。冬季にこの振動の幅が大きくなると、北半球の高緯度・中緯度地域で寒波や異常高温が起きる」などとあります。その強さを表現するための指標が「北極振動指数」というものです。正負で示されますが、私たち素人には「主成分分析」という方法を用いるのでちょっと難しく、ここでは単純に「正負」だけで表わしておきます。左図は見えにくいですが、クリックすると拡大され、振動の様子が良くわかります。

 まずその指数が正の時ですが、北極と北半球中緯度の気圧差が大きくなり、極からの寒気の南下が抑えられるので、ユーラシア大陸(アジアとヨーロッパ全体の大陸の事)北部、アメリカ大陸北部を中心に平年より気温が高めとなる傾向があり、日本でも暖冬となるそうです。
 他方その指数が負の時、北極と北半球中緯度の気圧差が小さくなり、極からの寒気の南下が活発となり、上記地方で平年より気温が低めとなる傾向がり、日本でも寒冷な冬になるそうです。

 右図は世界の中緯度から上の北極振動(AO)における暖冷の分布です。両方の画像はhttp://kotobukibune.at.webry.info/201002/article_24.htmlからお借りしました。
 これには気温とシベリアの積雪量が密接に関連しています。積雪は過去25年間にかなり増えているそうです。今度の研究では両者の関係をうまく説明しているとの事です(紙面の都合と私の力量のなさでかなり割愛させて頂きました)。 
 最後にチーム指導者のジュダヤ・コーへン氏は、「シベリアは北半球全体の冷蔵庫のようなものと考えたい」と言っています。雪が少なければ、冷蔵庫の扉は閉まった状態で、冷たい空気はシベリアで閉ざされたままになります。しかし雪に覆われた所が多くなればなるほど、冷蔵庫の扉は開かれた状態で、冷たい空気が台所に溢れて来ます。そして「暖かい春・夏・秋に続き、寒い冬がやって来るというパターンは、11月のシベリアで雪でなく降雨というところまで気候変化が進むまでは、当分続きます」とコーへン氏は結んでいます。不満な冬の季節が長く続くというのは明るい話題ではなさそうです。
 でも聖書の創世記にはこうあります。
 「地の続くかぎり、種蒔きと刈り入れ、寒さと暑さ、夏と冬、昼と夜とは、やむことはない」(創世8:22)。
 聖書でも温暖化一直線とは言っていません。