ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

発見された大作「聖マルティンのワイン祭り」を描いたピーテル・ブリューゲル

 2012年1月16日の朝日美術欄では明大名誉教授の森洋子さんが、世紀の大発見と注目されているピーテル・ブリューゲルの「聖マルティンのワイン祭り」について、詳しい解説をしていました。しかし残念ながらこの絵画、現在はスペインの美術館で初公開されたばかりで、日本での美術展は当分お預けか、実現しないかも知れません。

 私はブリューゲルの名前は知っていても、この朝日の作品とインターネットに載っている他の作品を初めて見ました。
16世紀にベルギーの北にあるフランダース地方で活躍した画家です。ちょうど宗教改革の時期に当たっており、すぐ北のオランダではカルヴァン派などのプロテスタントは勿論、もっと古くから存在していたバプテストなどの力が強く、ずっと支配して来たカトリックはおそらくこの地方ではかなり弱くなっていたのではないかと想像されます。でもhttp://www.sathya.be/bruegel.htmlのサイトを見ますと、フランダース地方はカトリックが巻き返しをはかり、多少とも優勢だったようです。私の所属するバプテスト教会では、例えばカトリックのような「聖母マリア」とか、「キリストの十字架刑」に関わる偶像礼拝の対象になりやすい絵画は排除しますが、他は特に厳しいわけではありません。厳格なカルヴァン派は禁じていたかも知れません。勿論カトリック宗教改革が起こるほどに、教理の面でも堕落していましたから、ブリューゲルにとってはその環境の中で絵を描く事はやりやすかったと思います。
 
他の作品を幾つか鑑賞しました。代表作は「バベルの塔」だそうです。右に掲げておきましたが、面白いなとは思っても想像力を掻き立てられる程ではありませんでした。後はやたら人物が多く登場し、解説でも読まない限りは良くわからないものが多かったですが、聖書の「もし、盲人が盲人を手引きするなら、ふたりとも穴に落ち込むのです」(マタイ15:14)をもとに描いたものは、すんなり理解出来ました。左下図。

 あまり紹介する余地がないので、一番上に掲げた新発見の「聖マルティンのワイン祭り」について、ネットの解説を見ながら思った事を述べます。まずこの祭りは「聖誰々」と付いていますから、典型的なカトリックの祭りです。およそ100人もの人々が、ワインを求めて群がったり、酔っ払っている光景が展開されていますが、それを見ても「聖なる」感じは全く伝わって来ません。
 聖書ではワインは健康を害している人々に水の代わりに飲む事が赦されていますが、旧約でも新約でも「酔っ払う事」は禁じられていました。ワインに飲まれてはいけないという事です。「また、酒に酔ってはいけません。そこには放蕩があるからです。御霊に満たされなさい」(エペソ5:18)とある通りです。
 ですからブリューゲルがどういう意図でこれを描いたのかは分かりませんが、人間のワインに対する貪欲さ、又カトリック信徒の腐敗堕落を風刺したものだという解説がありました。
 ではこの殺到した貧しい農民たちに対して、イエス・キリストならどうされたでしょうか?
 男だけで少なくも五千人が糧を求めてみもとに集まった時、キリストは「みなを、それぞれ組にして青草の上にすわらせるよう、弟子たちにお命じになった。そこで人々は、百人、五十人と固まって席に着いた」(マルコ6:39−40)とあります。キリストは群衆を整然と座らせておいてから、五つのパンと、魚を二匹取って、天の父なる神に祝福を求め、全員への給食という奇跡を行なわれました。そこに神の栄光が表わされたのです。