ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

アンドルー・ワイル博士のホルミシスとは

 2012年1月20日のハフポストサイトでは、昨年11月20日にも触れた事のあるアンドルー・ワイル博士が、「ホルミシス」について書いていました。博士がこの言葉を知っている人は少ないと言うように、ホルミシスとは一体何だと思いながら本文を追ってみました(http://www.huffingtonpost.com/andrew-weil-md/hormesis_b_1214355.html)。
 博士の冒頭の説明にはこうありました。「それは非常に興味深い現象です。即ちもし分量が多ければ有害であり、死でさえもたらしかねない化学的毒物、放射線、或いはその他何らかの形のストレスでも、少量ならば好ましいかたちの生物学的反応の事です」。念の為ウイキペディアの定義を調べますと、「生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量かつごく一時的であれば逆に良い作用を示す可能性のある生理的刺激作用のこと」とありました。
 その現象を最初に見出したのは、ドイツの薬理学者ヒューゴ・シュルツという人でした。彼は量が多ければ酵母菌を殺してしまう消毒薬でも、少量の投与であるなら、実質菌の成長を促すという事を発見しました。ネットで調べると、この言葉の命名者はもっと後になります。
 このホルミシスですが、ギリシャ語辞典を調べますと、名詞ホルメー、又はホルメーテーリオン(=刺激物という意味)に由来しているのだそうです。
 その仕組みは「生体の恒常性を取り戻す為無理に補う事、つまり有機体が妙に刺激的な(=挑発的な)環境に適応する為、小さなストレスに反応し、よりたくましくなる、或いはもっと数を増やすといった言い方であるようです」。この反応で馴染みのあるのは運動です。例えば重量挙げは短期間では直ぐに人を強くするものではなく、むしろ弱めるものです(組織を傷つける破壊的な分子の一連の放出がある為)。でも身体はこの状況に反応して抗酸化物質(=老化防止物質)を産生して、遺伝子修復や老化作用の遅延を起こします。ですから数時間、数日後にはより強い筋肉となり、さらに健康で元気な身体になるのです。
 実際には毒でありながら健康と見做されている多くの物質があります。例えば果物や野菜に鮮やかな色を与える化合物は、植物が菌や昆虫から守る為に「進化させてきた」毒性のある化学物質です。しかし過度の刺激とならない範囲の濃度であるなら、がんや心臓病の危険を低くします。
 ホルミシスはまた健康飲料と言われているものの謎を解明出来ます。例えばエチルアルコールは実際には毒で、量が多ければ組織を損傷し、長い間には死をもたらしますが、抗酸化作用を促進するので、日々少量のアルコール飲料なら心臓血管の為に益となるようです。でも博士は健康の為に、今まで飲まなかった人がわざわざ始める事はないと釘を刺しています。
 「人間進化の歴史」では、身体的活動、飢え、控え目なアルコール、寒さ暑さへ短期的に晒される事は、不快感を伴うものでも概して益となって来ました。しかし現代環境における新しいストレス物質、例えば合成化学物質は、安全だと証明されるまでは、やましいものと見做すのが最善です。
 政治家や御用学者たちは汚染の正当化を謀る為、ホルミシス効果を悪用しています。水中、空気中、食糧品における少量の毒や放射能なら、私たちの為に益となるという宣伝をしています(*原発災害での放射性汚染物質でそんな事を言っていた学者もいました)。
 しかし博士は「それは危険な戯言」だと一蹴しています。ホルミシスは大変注意深く制御された量でのみ価値があります。それも合成毒物の混合品が一般の循環仮定に放出されない限りです。最後に博士はホルミシスについてまだまだ分からない事が多いので、政治家も産業界も環境毒性物質を出来るだけ少なくする努力をして、公衆被曝を防ぐべきだと締めくくっています(私の粗訳です)。
 原発災害で少量の放射性汚染物質なら安全だ安全だと言って、ホルミシスを悪用する政府や企業関係者、御用学者らには、次の聖書のみ言葉を示しておきます。
 「なぜなら、身分の低い者から高い者まで、みな利得をむさぼり、預言者から祭司に至るまで、みな偽りを行なっているからだ。彼らは、わたしの民の傷を手軽にいやし、平安がないのに、『平安だ、平安だ。』と言っている。彼らは忌みきらうべきことをして、恥を見ただろうか。彼らは少しも恥じず、恥じることも知らない。だから、彼らは、倒れる者の中に倒れ、わたしが彼らを罰する時に、よろめき倒れる、と主は仰せられる」(エレミヤ6:13−15)。