ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

高齢者の認識力を高めると、性格まで変えられる

 2012年1月18日のサイエンスデイリサイト(http://www.sciencedaily.com/releases/2012/01/120118101528.htm)では、上記の題で米国の「心理学と老化」誌で発表された論文を紹介していました。イリノイ大学ワシントン大学、ベックマン研究所の研究者のチームによる成果です。原文は要約でしか見られませんので、他の複数のサイトも参照しました。

 研究者たちは60歳から94歳までの高齢者183人を対象に、「パターン認識(手書き文字や物体の形状などをPC利用で判別認知してもらう事)」作業、「問題解決」作業、「パズル」などを、各自の家でやってもらいました。自分のペースで各週ごとに新たな挑戦をしてもらいました(16週)。そしてその作業をしなかった高齢者131人を対照群として、比較検討しました。調べたのは5つの主要な性格(感じの良さ、律儀さ、神経質さ、外向性、新しい経験を受け入れる意思)です。
 そして最後の「新しい経験を受け入れる意思」、つまり柔軟で創造力を発揮し、新しい考えを取り込み、知的・文化的な仕事への挑戦をする事が、認知能力と密接な相関関係を有する事が分かりました。帰納的推論能力(なじみのない情報を柔軟に動作すると解決策を見つける能力)が改善されたお年寄りは、緩やかであっても大切な、新しい経験を積極的に受け入れる姿勢を増す事が、証明出来たという事です。なぜなら対照群ではそうした事が全く見られなかったからです。
 この非薬物療法的認知作業を指導したイリノイ大学心理学科教授の一人ブレント・ロバーツ氏は、「この研究は人が大人になってしまえば、その性格は変わらないという仮説に挑戦するものだ」と言っています。確かに機能的な面で言えば、2〜30代を過ぎてから性格は変わらないという事を示した論文もあります。でもここには平均75歳の人々でも、その性格特性がうまく変わったという研究があるのです!
 老齢化と共に増えて来る認知症ですが、その予備軍に入る人々が、こうした「非薬物的介入」によって、そこに至らないばかりか、その性格まで好ましい方向に変わるという事であるなら、今後積極的に取り入れるべき課題でしょう(既に介護施設などではこうした試みが盛んにされているところもあります)。
 退職した後、家でごろごろテレビばかり見ているといった受動的な姿勢では、老化と共に認知能力が減退するのは当然と言えるでしょう。人は生きて来たようにしか、死ぬ事が出来ません。積極的に頭を使い、身体を使ってそうした能力低下を防ぎ、最後まで明晰な頭のまま人生を全うしたいものです。
 その点聖書ではこんな箇所があります。
 「たとい私たちの外なる人は衰えても、内なる人は日々新たにされています」(コリント第二4:16)。
 聖書を紐解き、積極的に朗読・黙読し、神のみこころを求め、その為に行動する人は、体力が衰えても、その心は柔軟で、しかも聖書を通して働かれる聖霊の力によって、その性格まで新たにされるのです(そうでない非活動的な信徒も多くいますが)。上記した帰納的推論能力は、とりわけ何度も聖書を読む事で培われ、未知の問題でも解決出来たら、そこに大きな喜びが生まれます!