ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

カナダの広大な荒野でウラン採掘の準備が進められている

 2012年1月30日、カナダのイエール大学のサイト(http://e360.yale.edu/feature/a_vast_canadian_wilderness_poised_for_a_uranium_boom/2489/)では、上記の題で研究発表がされていました。その広大な荒野は主として北部のヌナヴト準州の事です。

 このヌノヴト準州はこれまで人にかき乱された事のない、カナダ北部で最大の荒野でした。昔人文地理で習ったツンドラ地帯(樹木が成長せず、永久凍土となっている地帯)が広がり、65.000〜400,000匹に及ぶ世界有数のカリブー(トナカイ)が自由に移動しています。西隣のアラスカから東隣のグリーンランドまでは、有名なイヌイットの人々が暮らしています。西ヨーロッパの規模の地域に3万人ほどが住んでいるそうです。
 それがなぜ今俄然注目されているのかと言いますと、そこに巨大なウラン鉱床が存在するからです。カナダは世界で二番目のウラン産出国ですが、このヌナヴト準州に隣接する所に鉱山が存在しています。しかしこのヌナヴトの調査では、ウランばかりでなく、金、銀、亜鉛、ダイアモンドなど多種の鉱物も見つかっており、カナダ政府としてもこれから国の将来の経済的発展の為、この地域の採掘が不可欠になると考えています。
 2008年の景気後退や2011年の福島原発事故があって、原子力推進の政策を再考しようという動きが各国であったにもかかわらず、この地域ではウラン鉱床の調査が急ピッチで進められているそうです。この為に巨額のドルが費やされて来ました。さらにこうした探査により、カリブーの数も現在激減しているとの事です。
 ヌナブト準州の北西部では2017年までに8つの鉱山で産出事業が開始されるかも知れません。既にフランスのアレバ社が採鉱や道路、貿易港の建設を申し出ているそうです。このアレバ社、福島の原発事故の後、放射能汚染水の処理を管政権は依頼し、巨額な費用が投じられました。しかしその後の新聞報道などを見ても、アレバ社の技術がはなはだ心もとない事が判明しています。
 その本社の存在するフランスでは、サルコジ大統領が強力な原発推進の立場を崩していません。しかし2月2日の朝日新聞を見ますと、4月の大統領選挙に向けて、脱原発の動きが急激に広がっているようです。ちなみにこの記事ではサルコジ氏は「原子力開発の停止は関連産業の雇用に打撃を与え、企業の競争力の致命傷となる」と発言しているそうです。ですからヌナヴト準州のウラン鉱床に目をつけたのもむべなるかなといったところでしょう。イヌイットの人々はこの動きに必ずしも反対ではないようです。でもカリブーにとっては受難の時代となりそうです。とにかくこれまで汚染なき荒野が「荒地」に転じようとしています。
 そこで聖書から引用して、この貪欲さに対し警告しておきたいと思います。
 「悪者はおのれの心の欲望を誇り、貪欲な者は、主をのろい、また、侮る」(詩10:3)。
 この極北の自然を破壊して己の利益のみ追求する企業は、主なる神への恐れがありません。ですから世界中での原発廃止傾向に背を向けていますが、
 「貪欲な人は財産を得ようとあせり、欠乏が自分に来るのを知らない」(箴言28:22)。
 東電もそうですが、アレバ社もきっと将来は行き詰まるに違いありません。聖書の預言ですから。