ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

コーラン焼却事件、聖書なら?

 2012年2月20日、アフガニスタンの都市カブールの北東部にある米空軍基地内で、イスラム教の聖典であるコーランとそれに関わる書籍が焼かれているのを、アフガン職員が見つけました。それは直ちに通報され、反米デモが燎原の火のように広がっています。画像はロイター通信より。

 アフガンに滞在している米軍は現在9万人ほどで、経済事情が苦しいオバマ政権はこの秋までに6万8千人に減らす計画でおり、アフガンの治安回復を急いでいたそうです。そこに来てこの不祥事、国民多数のデモが生じれば、反政府武装勢力タリバーンも呼応する形で煽っています。駐留外国軍を攻撃するよう指示を出しており、デモ中の国民や米兵などに死者が多く出るようになりました。
 事態の深刻さを憂えたオバマ大統領はただちにアフガン大統領のカルザイ氏に手紙を送り、コーランを焼却したのは「不注意による手違い」だったと述べた上で謝罪を表明しました。しかし共和党大統領候補者たちがオバマを標的に激しい選挙戦を繰り広げている最中でしたので、早速ギングリッチ候補などは、「オバマ氏は米大統領の謝罪に値しない人々にいつも謝っている」と非難しました。この口による攻撃に対して、クリントン国務長官が大統領の謝罪は「適切」だと述べ、批判する声が出ているのは問題だとの認識を示しました。
 戦争はその極限状態では、どんな正常な人の頭もおかしくしてしまいます。イラクやアフガン駐留の米国人兵士の多数がPTSDになり、退役してからもその余波が続いており、再就職がままならないとのルポがありますが、一方で軍隊内部の陰湿ないじめによる自殺者の増加(*野間宏の『真空地帯』は必須の読み物)や、レイプ事件が続発している事を示したルポ(http://www.newslogusa.com/?p=1509)などもあり、現在の米軍の「質の悪さ」が浮き彫りにされています。堤未果著『ルポ貧困大国アメリカ』では、その第四章で高校生や落ちこぼれた高校生たちをいかにリクルートするのかが克明に描かれています。優秀な学生は最初からその対象外になっています。政府は洗脳して兵士に仕立てるには、バカな若者たちを引っ張って来なければならないという考え方をとっています。
 こうした兵士たちが「不注意」であれ何であれ、イスラム教徒にとって命であるコーランを燃やしてしまう行為は極めてあり得る事です。
 これでは「目には目を」を復讐の原理と解釈するイスラム教徒が反撃するのも当然でしょう。カルザイ大統領は落ち着くよう呼びかけていますが、この勢いを押さえる人がなかなか出て来ません。
 では聖書ではどうでしょうか?誰でも聖書を焼く人に対して復讐せよとは言わないでしょう。次のようにあるからです。
 「草は枯れ、花はしぼむ。だが、私たちの神のことばは永遠に立つ」(イザヤ40:8)。 
 これは人間というはかない存在と永遠の神との対比ですが、草・花といった物質的なものを神のことばの書かれた本と考えてみれば、それらは例外なく朽ちるわけですから、仮にそれが敵対する国の兵舎で燃やされたとしても、そんなに目くじら立てて怒るほどの事ではないと思います。誰が焚書したところで、とにかくそのみことばは永遠に残るのです。