ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

善玉コレステロールを悪玉に変えるコレステロールエステル転送蛋白(CETP)

 2012年2月21日のサイエンスデイリサイトで「どうして善玉コレステロールが悪玉に変るのか」といった題の論文紹介が載っていました(http://www.sciencedaily.com/releases/2012/02/120221165941.htm)。
 米国エネルギー省の研究チームが負(ネガティヴ)染色電子顕微鏡(=精製したタンパク質あるいは複合体を高分解能で観察できる簡便な方法…単粒子解析などの画像処理法と組み合わせると数ナノメートルの分解能で立体像を予測できる=日立ハイテクのホームページより)を駆使して解明しました。
 一般にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)は動脈硬化を促進させ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)は動脈硬化を防止すると言われ、その多寡が狭心症心筋梗塞に関わって来る為、病院で検査する人は結構その値を気にしていると思います。私は総コレステロール、悪玉コレステロール共に低過ぎて、皆様と違い、その値を上げる事に躍起となっています。
 研究チームはこのHDL、LDLについて、コレステロールエステル転送蛋白(CETP)と呼ばれているものを立体画像で追跡し、どうして善玉コレステロールが悪玉になるのかを詳しく調べました。そしてCETPの中央の空洞を走るトンネルの役割に注目しました。それを介して善玉が悪玉に変る(というか画像では善玉のサイズが小さくなる)という事です。CETPはそのN末端がHDLに貫入し、C末端がLDLと相互作用し、三重複合体を形成します。その分子間力が末端部を歪め、CETPの両端に穴を開けます。この穴がCETP中央部の空洞と結び付いて、トンネルを形成します。それがコレステロールを善玉から悪玉に転送する為の経路となるそうです。原図の説明では善玉のサイズが減少するという説明になっています。

 蛋白質という非常に複雑な構造により、それと他の分子がどう結び付くかという研究は、なかなか進捗しませんでした。今回の新しい方法で解読されたという事は、分子生物学等の分野の発展にさらに寄与する事になるでしょう。
 特にCETPが善玉コレステロールに貫入するという事が分かれば、それを阻害する薬のさらなる進展が促進されるでしょう。薬価が高くなければ、LDLの高い人にとっては朗報ではないでしょうか。
 ところで善から悪へ、それを媒介する物質の巧妙な仕組みが分かったという事は、聖書に適用出来ます。
 有名なのは創世記でエバが蛇に誘惑され、エデンの園の中央にある「善悪の知識の木」の実を食べ、それまでの全き善の状態から、悪へと堕落してしまった出来事でしょう。蛇はその霊的な牙の前面をエバの心に貫入させ、彼女から完全さを吸い取り、背後でドッキングしているサタンに渡しました。人間堕落と死の導入という歴史的瞬間でした。
 「しかし、善悪の知識の木からは取って食べてはならない。それを取って食べるその時、あなたは必ず死ぬ」(創世2:17)。
 そうです、このたった一つの神のご命令違反が罪となり、万人に死が及ぶようになりました。この為人々は「一生涯死の恐怖につながれて奴隷とな」りました。これが私たちの偽らざる姿ではないでしょうか?
 でも救い主キリストが来て、私たちの「悪」をご自分の身に負って十字架で死なれました。その信仰によって悪人は義とされ、再び善を追求する者へと変えられるのです。そしてその人は天国に行く時、悪を全てそぎ落とされ、完全な「善玉」だけになり、世々限りなくキリストと共に過す事が出来ます。その時「悪玉」への心配は皆無となります。