ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

福島第一原発からの東電「敵前逃亡」計画と阻止した前官首相

 2012年3月4日の朝日新聞によりますと、昨年3月11に生じた原発事故で、既に経済産業省原子力安全・保安員の暫定組織が、1〜3号機の炉心溶融を1週間後の18日には指摘していた事が分かりました。

 そして炉心溶融による最も危機的な瞬間が、14日夜から15日朝にかけて生じ、その15日が放射能汚染を決定づけた「運命の日」であったと、記事に記されていました。どうも本当にその日を乗り切らなければ、日本全体が危うい状況に追い込まれた可能性があります。ちなみに東電が1〜3号機全ての炉心溶融を正式に認めたのは5月24日で2ヶ月と2週間後になります。東電は事故隠しの為に奔走していたのでしょうか。
 この朝日記事からさらに分かったのは、15日には東電が福島第一原発から全員撤退しようとしている」という情報が、官邸に伝わったという事です。つまり原発の詳細については、東電しか分からないのに、右も左もわきまえない庶民を差し置き、切羽詰まった状態で「敵前逃亡」を企てていたという情報です。
 これには官邸にいた管首相も驚いて、東電清水社長を呼び出し、それは困ると言ったそうです。それに対する清水社長の答弁は曖昧だったそうで、その後すぐ勝俣会長に「撤退はありえない」と言い渡したそうです。実際には発電所内にいた650人は一時退避したとの事でした。
 この時の管首相は強いリーダーシップで、東電の「敵前逃亡」を阻止したわけですが、もしそれがなかったら、現場は無人状態となり、それこそ比較にならない大事故が発生し、収拾出来ない状態に陥ったでしょう。しかしそれがなかったので無事運命の日15日を乗り切り、かろうじて現在の状況で留まっているという事になります。
 こうした敵(原発)を目の前にして、戦線を離脱しようとして、指揮官から咎められ留まった例は、聖書にもあります。
 民数記の32章にあります。そこでは占領すべき約束地を目前にしながら、ヨルダン川を渡らず、手前の肥沃な地ギルアデに楽して定着する事を思いついたガド族とルベン族の事が出ています。彼らは強力な敵の待つ地に乗り込む事に怖気づいたのかどうか分かりませんが、もし落伍してしまえば、かつてもそうでしたが、今度も残りのイスラエル部族の士気に多いなる影響を与えます。
 そこで指揮官のモーセがこう言っています。「モーセはガド族とルベン族に答えた。『あなたがたの兄弟たちは戦いに行くのに、あなたがたは、ここにとどまろうとするのか。どうしてあなたがたは、イスラエル人の意気をくじいて、主が彼らに与えた地へ渡らせないようにするのか』」(民数32:6−7)。
 この指導者モーセの強い非難は、彼らの気持ちを変えました。
 「あなたのしもべたち、いくさのために武装した者はみな、あなたが命じられたとおり、渡って行って、主の前に戦います」(同32:27)。
 こうして危機的状況は回避されました。
 原発事故時の官邸の管首相は到底モーセの器ではなかったでしょうが、東電遁走を阻止した点では評価されるでしょう。