ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

国産小麦の栽培

 2012年3月5日の朝日新聞は、「道産小麦パン業界の星」という題で、北海道の小麦生産の実情をルポし、記事にしていました。
 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加に向けた論議が盛んですが、それは日本の食料自給率が大幅に落ち込む事を懸念しての論議ですから、拙速は絶対良くないと思います。
 パン用小麦粉もそうした自給率の低い品目の一つ(2009年度で僅か3パーセント)ですが、ここに来て「純国産パン」を広めたいと、国内パン業界が名古屋の大手敷島製パンや、北海道の農業研究センターなどに開発を求め、いよいよ実用化に向けて一歩踏み出したようです。この北海道地域向けの超強力秋まき小麦の名前を「ゆめちから」と言います。左下図はmamapanサイトからお借りしました。

 ここでパン用強力粉などとあります。そこらをもう一度学びますと、「小麦粉は、たんぱく質が多くてねばりの強い順に強力粉、中力粉、薄力粉の3種類に大きく分けられる」そうです。そして 強力粉のパンに対して、中力粉はうどん(こちらの自給率は60パーセントになるそうです)と分けられ、スーパーでおなじみの薄力粉(はくりきこ)は、ケーキや天ぷらなどで用いられています。
 このゆめちからは超強力粉でありながら、中力粉も混ぜて使う為、もしそれが普及すれば、中力粉用小麦の栽培も活発になり、パン用小麦粉の自給率も上昇しそうです。
 この小麦栽培ですが、8月〜9月に種をまき翌年の7月下旬〜8月にかけて収穫される秋まき小麦と、4月下旬〜5月に種をまき8月〜9月に収穫される春まき小麦があります。北海道のは秋まきで、病気や雨などの難点を克服し、春まきに比べて収穫量が多いそうです。
 それらを聖書の小麦栽培と比べると、秋まきにほぼ近いと言えるでしょう。
 聖書地での主食はパンです。それも小麦の栽培が重視されていました。なぜならそれは「種を入れないパンと、油を混ぜた種を入れない輪型のパンと、油を塗った種を入れないせんべいとを取れ。これらは最良の小麦粉で作らなければならない」(出エジプト29:2)とあるように、主である神への捧げ物としては必須のものだったからです。この捧げのパンは今日の私たちが食べるような、酵母菌の効いたふっくらとしたものではなく、パリパリのせんべいのようでした。種を入れたパンは概して腐りやすく、聖書では「道徳的腐敗」の象徴であって、そのまま主に捧げる事は出来ませんでした。主への捧げ物は全て汚れのない最上のものが求められたわけです。

 この小麦の栽培がいつから始まったか分かりませんが、既に最初の人アダムが罪を犯して堕落し、エデンの園を追放されてから直ぐ、「人は自分がそこから取り出された土を耕すようになった」(創世3:23)とあって、おそらくこの時点で小麦の栽培は始まったと推測されます。
 それは秋蒔きのものでした。主は「わたしは季節にしたがって、あなたがたの地に雨、先の雨と後の雨を与えよう。あなたは、あなたの穀物と新しいぶどう酒と油を集めよう」(申命11:14)とあるように、10〜11月頃の先の雨を待ってから農夫は耕作を始めました。そして種を蒔いて後はひたすら時を待ちます。それは3〜4月頃降る後の雨で成熟し、5〜6月頃収穫の時を迎えます。そして収穫した小麦を挽いて粉にし、かまどで焼いて食べました。この時は勿論酵母菌入りでした。
 ところで聖書の時代は問題ありませんでしたが、現代はふっくらした美味しいパンが求められており、概してカロリーが高いので要注意です。肥満の人は玄米パンなどがお勧めです。