ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

仙台市宮城野区南蒲生地区災害危険区域の線引き変更

 2012年3月18日の朝日新聞に、「集団移転 線引きに戸惑い」という題の記事がありました。
 これは東日本大震災津波被害を受け、住宅がほぼ全壊状態の仙台市宮城野区南蒲生地区で生じた問題を指しています。

 その問題とは、当初ここが災害危険区域に指定された時、西側を南北に走る県道塩釜亘理線から東の海に至るまでの全区域が対象でした。左図の橙色の部分がそうです。昨年9月に仙台市はそう決定したわけです。その指定を受けると、国の防災集団移転促進事業が活用出来て、被災宅地の買い上げや移転先の用地取得、移転経費補助など様々な支援策があるそうです(http://blog.kahoku.co.jp/saisei/2012/02/post-24.html)。
 ところが仙台市が昨年10月に津波浸水シミュレーションをやり直し、その境界をより海側に設定し直してしまいました。つまり左図(白線)で示したように、この県道塩釜亘理線をかさ上げして東の海側までずらすという計画です。実はこの計画、ネットではずらした県道の西側におよそ200所帯の住宅が存在する為、実施されると、現在の地域に住み続ける事が出来るので、それが住民側の要望だったかの如く書かれていました。それを踏まえての市の設定し直しのように見えたわけです。しかし上記朝日では仙台市の一方的な境界の設定し直しのように書かれており、どちらが本当なのかよく分かりません。
 ただこの境界を動かした事で、西側の区域外になる地区は支援が受けられなくなるので、東側の数十所帯と比べ不公平だという意見が続出しています。また西側の住宅でも災害危険区域には違いないので、左図の安全な集団移転候補地(ピンク色)に移りたいという人々も居て、様相は複雑です。
 確かに県道塩釜亘理線から東は全て災害危険区域なので、集団移転するべきだという意見は正しいのではないかと思います。ただ仙台市などその為の具体策がまだまだ整っていないので、住民の方々のいらだちは良く分かります。仙台市が一刻も早く一律に支援する事を望みます。お金の問題が絡むと、住民同士のいざこざも必ず生じて来るに違いありません。
 そこでいつもの聖書箇所ですが、境界線の移動についてこんな警告があります。
 「あなたの神、主があなたに与えて所有させようとしておられる地のうち、あなたの受け継ぐ相続地で、あなたは、先代の人々の定めた隣人との地境を移してはならない」(申命19:14)。
 これは勿論不誠実な者が自分の土地を拡大して、隣人に不利益をもたらす事への警告です。それは両者のトラブルを深刻なものにする邪悪な罪です。ですから申命27:17では、「隣人の地境を移す者はのろわれる」と規定されています。
 仙台市の担当者は県道を移さず、そのままで災害危険区域の西境とすればよかったのです。住民各自の要望でぶれない毅然たる態度で臨むべきではなかったですか?