ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

被災地での漁船の製造

 2012年4月16日の朝日新聞には、「復興へ漁船大量生産」という題の記事がありました。
 昨年3月11日直後の写真を見ますと、津波でやられた陸地に随分漁船が打ち寄せられ、家の屋上に乗っかっている船も見られました。

 記事によりますと、水産庁の調べにより、東日本大震災で破損したり、流出してしまったりした漁船の数は、実に2万8,812隻に達するそうです。津波被害がいかに大きかったかという事を示す数字です。
 それで被災した漁師たちが個人で新しく船を造るのは極めて厳しい状況です。これまで新建造された船、補修された船の数の割合は、まだ全体の30パーセントに過ぎないそうです。そこで水産庁は出来るだけ共同で利用するよう提案し、その場合の補助制度を新設しました。それまで個人で漁をしていた人々も、先立つものがないと、発想を変えなければなりません。一緒に出れば、美味しい魚がたくさん獲れるので、前向きに考えている漁師が増えているそうです。
 従来船は造っても、その艤装(船体に各種設備を取り付け、航海出来るようにする事)は別の会社が請け負うという形の分離があったそうですが、ここに来て大手の和船製造会社ヤマハ発動機は、その艤装まで担う事にしました。それによってヤマハではこれまでより16倍もの増産計画実現に乗り出したそうです。社員は忙しくて大変ですが、ヤマハの社長は「日本のおいしい海産物、食文化を守る社会的責任がある」と張り切っています。
 こうした船の建造は聖書にも載っていますが、特に「タルシシュの船」で有名です。
 「王は海に、ヒラムの船団のほか、タルシシュの船団を持っており、三年に一度、タルシシュの船団が金、銀、象牙、さる、くじゃくを運んで来たからである」(列王第一10:22)。
 このタルシシュという名称ですが、ノアの子セム、ハム、ヤペテのうち、ヤペテの子孫のうちに見られます。彼らがどこに住んでいたかは明確ではありませんが、スペイン南部ジブラルタル西方のアンダルシア地方近くにあるタルテッソス文化圏のどこかかが有力視されています。

 だいたいタルシシュという言葉そのものが、大航海に適した貨物船という意味で使われていたそうで、イスラエルの三代目の王ソロモンは、この地との交易を盛んに行なっていました。そこで上記聖書箇所にあるような、珍しいものをそこから地中海を通り、ソロモンの元に運ばれて来たようです。
 東北地方の漁業が漁船の増産で活気を取り戻せるようお祈りします。