ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

キーストンXLパイプライン建設の頓挫

 2012年1月18日米国のオバマ大統領は、カナダと米国のテキサス州を結ぶキーストンXLパイプラインの建設計画承認を先送りしました。
 このパイプラインは、カナダのアルバータ州ハーディスティから米国のテキサス州メキシコ湾岸の石油精製基地まで、オイルサンドをおよそ3,100キロを約70億ドルをかけて運ぶ為のものです。下図の右側赤線部分のキーストンパイプライン(石油用)は、既に2011年2月に完成し稼動しているとの事です。

 それが新しいキーストンXLパイプラインの場合(*図左側の点線部分)、かなり直線的になるので、一日あたりの輸送量は2倍以上になるそうです。
 このパイプラインで運ばれるのはオイルサンドです。あまり聞き慣れない名前ですが、ネットの情報では「砂、粘土、砂と粘土の中間の粒子、水、天然ビチュメンから成る」とありました。このビチュメンから石油を抽出する事になるわけですが、べたべたした粘性の強い物質で、上記ハーディスティの採掘地では、その採掘過程で毒性の高い物質も多く出て、発がん性があるそうです。オイルサンドから分離された砂も大量に現れるのでその処理も大変です。原発による放射性廃棄物をどうするかという問題と基本的に同じです。

 さらにこの運搬用のパイプですが、そのつなぎ目から、或いはパイプそのものの劣化から、オイルサンドが漏れ出し、大いに環境を汚染する心配があるようです。特に図の中央付近に位置するネブラスカ州には、国内8州200万人ほどの飲料水および農業用水を供給する帯水層(*地層をつくる粒子の隙間や岩石中の微小な割れ目が,水を自由に通す程度に大きい地層や岩石を透水層と呼び,透水層中の地下水で満たされた部分を帯水層という=コトバンクより)があるので、もしここでオイルサンドが漏れたら大変な事になります。それでこの州では大々的な反対運動が起きているそうです。
 オバマ政権は南部オクラホマ州クッシングからテキサス州のヒューストンに近いポート・アーサーまでのルートは、建設承認済みとの事です。
 この思わぬ反対運動でカナダも米国も困惑しています。でも輸送の橋渡しとなるパイプラインの問題は大切で、慎重な対処が必要でしょう。
 聖書の場合ですと、汚れなき神と、罪に汚れた人間との橋渡しは、人のかたちをとられた救い主イエス・キリストです。この方は神と同じく全く汚れがありませんでした。汚濁にまみれたパイプラインとは異なります。
 「神は唯一です。また、神と人との間の仲介者も唯一であって、それは人としてのキリスト・イエスです」(テモテ第一2:5)。
 もう新たな石油は必要ないと主張する人々が米国にいますが、その方向でうまく解決出来たらと思います。