ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

米国大統領選で共和党候補となったロムニー氏のモルモン教

 2012年4月11日に、次期大統領候補として激しい選挙戦を行なって来た共和党候補のうち、「敬虔なキリスト教徒」(*括弧付きは私)であるサントラム氏が撤退し、「モルモン教徒」のロムニー氏が次期大統領候補として正式に決定しました。
 これから民主党の「キリスト教徒」であるオバマ氏と対決するわけですが、最近のネットを見てもどうも億万長者であるロムニー氏の評判がよくありません。
 ハフポストサイト12月8日号に出ていた「モルモン教について知っておくべき5つの事」を要約し、さらに加筆して彼らの教えの基本を知っておこうと思います。

 1私たちは彼らの事をどう呼ぶべきでしょうか?彼らの正式な名称は「末日聖徒イエスキリスト教会」で、教祖はジョセフ・スミスです。彼には1823年に「モロナイ」という神の使いが現われ、米国先住民のの中に永遠の福音が載っているとの啓示を受けました。そして1830年その「啓示」を英語で記したものを出版しましたが、それが「モルモン教」です。
 2彼らはどんな人々でしょうか?米国のユタ州に本部があって主体は米国人のように見えますが、そうではなく英国、スペインなど欧州諸国、そして日本にも信徒たちがいます。真面目な聖徒たちで、布教活動は男性がペアで歩いていますし、ぱりっとした服装ですぐ分かります。彼らは付近の子どもたちに英会話も教えていますが、入信の為の義務ではありません。
 3彼らはなぜ保守的なのですか?彼らは政治の面では、圧倒的に保守派の「共和党」支持者たちです。そして堕胎、性革命、女性運動の活動禁止等々を唱えています。スミスの頃は、旧約の族長たちの生活に影響を受けたのかどうか分かりませんが、「一夫多妻」制でした。しかし米国では早々とそれを禁止した為、現在は一夫一婦制となっています。さらに日常生活ではコーヒー、タバコ、アルコール飲料、麻薬等は一切禁止です。
 4彼らは何を信じていますか?モーセ5書(旧約の最初の5つの書)はモーセが書いた事、イエスの奇跡は聖書にある如く文字通り受け入れるべき事、アダムとエバは実在の人物である事、進化論を信じないで創造論に共感すべき事などを、ハフポストでは挙げています。しかしウイキペディアによると、聖なる書は勿論モルモン教典ですが、並行して聖書の米国欽定訳、日本では口語訳を使用しているとの事です。日曜日は勿論安息日です。礼拝での十分の一献金、全身を浸すバプテスマが実施されている点は、キリスト教と似たところがあります。
 しかし彼らは神学校を置かず、訓練を受けた神学者や伝道者はいません。また教典の変更はこれまで4千箇所にも及び、それを唯一神の啓示を受けた歴史の書として信じている学者は一人もいません。
 もう一つ、人の救いはイエス・キリストへの信仰より、専ら儀式と秘儀によっています。さらにキリストの贖いの故に、死んだ人の魂は、それぞれの行いに応じた復活があり、永遠の刑罰を受ける人は誰もいないという、重要な福音の教義から外れた教えがあります。
 5モルモン教徒であるとはどういう意味があるのでしょうか?2008年の調査では、信徒は56パーセントが女性、44パーセントが男性です。そのリーダーは男性で、女性は主導権を執る事が出来ません。しかし女性の為の大きな組織や、子育ての為の計画が実施されています。とにかく教理に関しては「素人集団」であり、日曜学校も、礼拝も専門教育を受けていない素人が行なっています。それでもユタ州で見る限り、信仰により男女の生活の満足度は相当高くなっています。
 以上から見て、モルモン教キリスト教とは異なり、それを末日聖徒イエスキリスト教会と称するのは異端という事になります。ミット・ロムニー候補は熱心なモルモン教徒ですが、「私は、彼らが神に対して熱心であることをあかしします。しかし、その熱心は知識に基づくものではありません」(ローマ10:2)とあるように、キリストの正しい知識に基づいていません。従って彼が保守派として貧しい人々の事を全く顧みないのはけだし当然でしょう。こういう人が大統領になったら、日本に何を要求してくるか、だいたい想像出来ます。