ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

目の錯覚

 2012年4月24日のフィズオルグサイトに米国神経科学サイトの論文(http://neurosciencenews.com/how-your-eyes-deceive-you-neuroscience-optical-illusion/)紹介が載っていました。というよりそれからの転載です。「あなたの目はどうしてあなたを騙すのか?」といった題です。
 目の錯覚については、これまでも多くの研究がありました。ウイキペディアを参照しますと、様々な錯覚の例が載っています。
 今回のシドニー大学研究者たちの研究も、だいたいこれまでのものを踏まえています。二重の円の外側は斜めの線が平行して走っており、内側の線はそれとは逆方向に傾いているように見えますが、実際には垂直です。

 この研究は脳が世界をいかに視覚的に解釈し、脳自体がいかに働くかという事を調べたものです。人々はほとんどの仕事を目に頼っていますが、脳の視覚感知システムで与えられた情報は、しばしば歪められ、頼りにならず、錯覚を受けるという事を知っておく事が大切です。なぜなら道路にて車を高速で運転している人、複雑な曲技を行なっている運動選手、飛行機を着陸させようとしているパイロットたちは、見ている対象を誤解する事が起こるので、錯覚があり得、従って事故を起こす可能性があるという自覚を持つ事が極めて大切になるからです。
 なぜそのような錯覚が起こるのかという事ですが、研究者たちは脳の一次視覚野(後頭野に存在)の細胞における「傾きの錯覚」のもとを追跡してみました。そこは脳の視覚処理の第一段階を司っています。そしてそこで受けた情報を2つの経路(背側皮質視覚路と腹側皮質視覚路)を通って、二次視覚野まで伝えます。

 ボランティアを募って、上記の傾きという錯覚を調べた研究者たちは、次のような大切な事実を発見しました。即ち「この錯覚はおそらく1000分の1秒ほどの間に極めて迅速に生じるので、二次、三次…といった高次脳でも、それを常に是正する事は出来ません。なぜならそうした高次脳は実際それが錯覚である事が分からないからです」という事です。目で見た光景の中の或る対象物により、目が惑わされてしまう事が起こり得るわけです。
 これまでの研究では「一次視覚野は錯覚に反応せず、処理能力の異なる二次視覚野と一次視覚野の間ではその不一致の情報の照合が行われ、この不一致を解決するために、二次視覚野の細胞は一次視覚野の対応する細胞に向けて再回帰信号を返しているはずである」という事がネットに載っていました。
 なかなか面白い研究だと思います。さらなる発展を期待します。では聖書ではどんな事が言われているでしょうか?
 イエスは自分は律法をしっかり守っており、正しいと「錯覚」しているパリサイ人にこう忠告されました。
 「しかし、あなたがたは今、『私たちは目が見える。』と言っています。あなたがたの罪は残るのです。」(ヨハネ9:41)。
 私たちは上記したように目の錯覚がある事を知っています。しかし「心の目」となると、キリストに対する「偏見」が避けられない為、その実像を大いに「誤解」し、誤った方向に導かれる事があります。「心の目の錯覚」と言ってもよいでしょうか?