ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

遺伝学者たちが西アフリカのピグミー族の小柄さと関連ある遺伝子を特定

 2012年4月26日のサイエンスデイリサイト(http://www.sciencedaily.com/releases/2012/04/120426174100.htm)では、上記の題でペンシルベニア大学のサラ・ティシュコフ博士の率いる研究チームの成果を紹介していました。PDFファイルに全て載っています(http://www.plos.org/media/press/2012/plge-08-04-Tishkoff.pdf)が、ページ数が多く、専ら上記紹介サイトを参考に纏めてみました。

 アフリカにおけるピグミー族の身長の低さは良く知られています。大人の男性で平均152センチ以下です。熱帯雨林に住む狩猟採集民ですが、彼らの寿命は以外に短く、15〜24歳との事です。なぜ彼らの身長が低いのかについては、これまで多くの研究がありましたが、どれも決定的ではなかったようです。
 今回の研究ではピグミー族と、彼らとは対照的に身長が高く、農耕や牧畜を営むバンツー族との比較がされました。
 その方法は人間の染色体のうち第3染色体の45〜60Mb(メガ塩基=ゲノムの大きさを表わす単位)領域におけるSNPs(一塩基多型=ある生物種集団のゲノム塩基配列中に一塩基が変異した多様性が見られ、その変異が集団内で1%以上の頻度で見られる時、そう呼ぶ)を調べる事でした。その領域を詳しく観察すると、DOCK3 とCISHという遺伝子が際立っていました。DOCK3は既にヨーロッパで背丈の変異と関連している事がわかっていました。一方CISHはそれと近い位置にありますが、人間の成長ホルモンを制御する分子の伝達経路と関係する蛋白質を作り出す遺伝子です。この蛋白質が過剰に作り出されたネズミはサイズが小さくなります。
 またCISHは熱帯雨林気候帯で生息する各種寄生虫などの感染症に対する感受性が高い事が示唆されています。これがピグミー族には重荷となりそうです。
 研究者たちはこの方法で背丈と強い関連性のあるSNPsを引き出しました。
 その中に見出される突然変異は、生殖ホルモン活性化、甲状腺ホルモン活性化、免疫系機能・インシュリン、成長ホルモンの制御と関わって来ます。それで早期の生殖成熟度に達するようです。また免疫系の機能の低下があれば、マラリヤなどの感染に弱くなり、それがピグミー族の短命と関係して来ます。そして成長ホルモンとインシュリンの伝達経路に関わるものが背丈と相関しますから、ピグミー族は背丈が低いという事になります。
 ただ研究を主導したサラ・ティシュコフ博士は、研究が進めば進むほど、問題が非常に複雑になり、成長・代謝・免疫などは相互関係があり、他の仮説を反駁出来る段階ではないような事も述べています。
 ピグミー族がアフリカに特有の小人であったとしたら、逆に旧約聖書に頻繁に登場するのは大男です。
 エジプトを出たイスラエルがカナンの約束地を偵察した時、出会ったのがネフィリム人、アナク人といった巨人でした。
 「そこで、私たちはネフィリム人、ネフィリム人のアナク人を見た。私たちには自分がいなごのように見えたし、彼らにもそう見えたことだろう」(民数13:33)。
 「その民は大きくて背が高く、あなたの知っているアナク人である。あなたは聞いた。『だれがアナク人に立ち向かうことができようか』」(申命9:2)。
 そのようにカナンの地に住んでいたアナク人は、背が非常に高くイスラエルにとっては恐怖の対象でした。
 またサムエル第二21:20には「さらにガテで戦いがあったとき、そこに、手の指、足の指が六本ずつで、合計二十四本指の闘士がいた。彼もまた、ラファの子孫であった」という記事もあり、このラーファーというヘブル語も固有名詞ですが、「巨人」という意味があります。そのようにカナンの地には巨人の小集団がいた事になります。遺伝的要因があったのは間違いないでしょう。