ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

俳優山本太郎氏の決断

 2012年5月4日の朝日新聞に、「言おうぜ 言いたいこと」という欄があり、俳優の山本太郎氏と、歌手の沢田研二氏が、昨年3月11日に起きた東関東大震災について発言していました。
 山本太郎氏については私は全然知りませんでした。ウイキペディアを見ても、テレビ出演は1992年以降とありますから、その頃からテレビを見ていなかったので、当然でしょう。下の画像はhttp://fotgazet.com/news/000141.html[からお借りしました。
 その山本氏の名を知ったのは、2011年9月19日の「さようなら原発5万人集会」(東京・明治公園)で壇上に上がり、大江健三郎氏や落合恵子氏らと共に反原発のメッセージを伝えた時からです。私もその日明治公園に行きましたが、壇周辺は大変な混み方で、その後の方で聞いていた為、直接顔を拝見する事は出来ませんでした。
 それ以後山本氏の名前が出て来る記事などは出来るだけ読んでいますが、上記朝日の記事から、俳優山本太郎がいかにして反原発活動家に転じたか、だいたい分かりました。
 3・11直後山本氏の心に二つの自分がいました。一つは原発反対で行動に移すべきだという自分、二つ目はいやそんな事をすると、仕事がなくなり大変な事になるぞという自分。この煩悶が数日続いたようです。非常に大きな葛藤だったでしょう。
 でもあるツイッターの書き込み欄に「反対!」と書いた瞬間涙がこぼれ、やっと「自分に戻れた気がした」のです。胸につかえていたものがすっと消えたとはこの事でしょう。もはや迷う事なく反原発デモに加わり、その行動は加速しました。でもユーチューブなどで見る限り、決してこわもてではなく、優しい行動家です。
 しかしです。そのあとはいばらの道でした。「予想どおり仕事は激減」しました。予定のドラマは降板、所属事務所も辞めました。本人はこの原発反対発言が理由という点を否定しているようですが、私は裏で誰かが動いたのは間違いないと確信しています。それによって収入は10分の1以下になったそうです。
 でも道は開かれある会社の契約社員として採用されました。山本氏は全く後悔していません。この模範を見ると、私も身銭を切って反原発行動を続けないといけないと思いました。それは歌手の沢田研二氏も全く同じようです。山本氏と連帯し、反原発ソングを歌い続けています。同じようにテレビに出られなくなるぞという脅しもあるそうです。でも表現の自由を得てますます盛んです。
 収入がギリギリで生活している人が、クビを覚悟で反原発の意思表示をするのは大変でしょう。知恵を絞って熟考する事が大切です。イエス・キリストも信仰に関してこう言われました。
 「塔を築こうとするとき、まずすわって、完成に十分な金があるかどうか、その費用を計算しない者が、あなたがたのうちにひとりでもあるでしょうか。基礎を築いただけで完成できなかったら、見ていた人はみな彼をあざ笑って、『この人は、建て始めはしたものの、完成できなかった。』と言うでしょう。また、どんな王でも、ほかの王と戦いを交えようとするときは、二万人を引き連れて向かって来る敵を、一万人で迎え撃つことができるかどうかを、まずすわって、考えずにいられましょうか。もし見込みがなければ、敵がまだ遠くに離れている間に、使者を送って講和を求めるでしょう。そういうわけで、あなたがたはだれでも、自分の財産全部を捨てないでは、わたしの弟子になることはできません」(ルカ14:28〜33)。
 これはキリストの弟子になろうと決心する人は、前途に世と世を支配する悪魔の大きな妨害が待ち受けており、どんな困難に出会うか分からないという事をあらかじめ良く考えるべきだとの教えです。自分の財産全部を捨ててとは、キリストへの奉仕の邪魔となるもの全てを捨ててという意味です。一文無しになるという事ではありません。
 けれどもコストを考えた末、そう決断して弟子になった人は、神がいつもそばにいて守り、且つ大いなる祝福を与えて下さいます。有数のパリサイ人知識人で、かつてキリストの弟子を迫害したパウロが劇的に回心しその弟子となった時、大いなる困難に出会いました。しかしすばらしい証があります。
 「私は、貧しさの中にいる道も知っており、豊かさの中にいる道も知っています。また、飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています」(ピリピ4:12)。
 彼はローマで処刑されましたが、瞬時に天に挙げられ栄光の冠を受けました。山本氏の生き方はすばらしいですが、キリストの弟子としてならば、苦境にあってももっと大きな祝福があるでしょう。それを望みます。