ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

安価で豊富な澱粉の繊維は痛みのない包帯となり得る

 2012年5月1日のフィズオルグサイト(http://phys.org/news/2012-05-inexpensive-abundant-starch-fibers-ouchless.html)では、上記の題でペンシルベニア州立大学の研究成果を紹介していました。
 私たちは身体の一部に傷をつけ、病院で治療してもらい、包帯でその箇所を包んでもらう事を経験した事があるかと思います。皮膚が完全に治っていれば、外す時何でもありませんが、まだ膿んでいてくっついてしまった時は悲劇です。相当痛い思いをするので、目をつぶったり、痛い!と悲鳴を上げる事もあるでしょう。私も6回手術し、そうした経験はいやっという程しました。包帯とは違いますが、腸閉塞で緊急手術した時、縫合不全となり、自然に回復するのを待つ為傷口から腸までガーゼを一杯突っ込まれた事があります。それを毎日交換する時、ガーゼをピンセットで引っ張るのですが、思わずギャーと声を上げた事があります。
 現在でもガーゼによる包帯が主流でしょうか?

 今回のペンシルベニア州立大学で開発された包帯は、その点画期的だと思います。
 澱粉はご承知のように、コメ、ジャガイモ、クズなどに含まれ、糖尿病の人はなるべく控えるべきですが、包帯となると話は違って来ます。
 それはアミロースとアミロペクチンから成る高分子化合物です。水の中で完全に溶ける事はありません。その代わりにゲル状になります(=糊化)。それは繊維を作るには、あまりに厚過ぎます。研究者たちはその問題を解決する為、分子構造を破壊せず、溶液が澱粉を溶かすのを助ける溶剤を追加しました。そしてエレクトロスピニング装置を利用しました(*電界紡糸装置=高分子溶液を注射筒に入れ圧力をかけながら先端の金属針に高電圧を印加することで高分子溶液を対向電極に放出し、数マイクロメートルから数十ナノメートルオーダーの極細の繊維構造体を対向電極の基板上に簡便に堆積できる技術、という難しい説明がKAKENサイトにありました。実際のやり方は以下のサイトにあります。http://www.jove.com/video/2494/?language=Japanese こののビデオは英語ですが、概要は掴めると思います)。
 この装置と溶媒で澱粉溶液を引き伸ばし、繊維にする事が出来るそうです。ビデオでも澱粉の小滴を引き伸ばして、長い撚り糸にしている場面が見られます。
 それによって澱粉繊維は豊富となり、繊維を形成するのに使われている他の素材(セルロースや石油を基にした高分子)よりずっと安価になるそうです。
 この澱粉繊維の包帯は退化しても、身体が安全に吸収出来るブドウ糖になるという事ですから、私たちには朗報ではありませんか!
 ところで聖書にも「包帯」による手当ての場面があります。新約の時代ユダヤ人と反目していたサマリヤ人ですが、或るユダヤ人が強盗に襲われ半殺しにされて横たわっていました。おそらく傷口は相当出血していたでしょう。同胞たちは無視して通り過ぎましたが、かわいそうに思ったサマリヤ人が、傷を消毒、包帯をして手厚く介抱したという記事です。キリストはこれこそ真の隣人だという事を示す為、譬えで示されたのでした。
 「近寄って傷にオリーブ油とぶどう酒を注いで、ほうたいをし、自分の家畜に乗せて宿屋に連れて行き、介抱してやった」(ルカ10:34)。
 ここに出て来る「ほうたいをし」というみことばですが、原語もギリシャ語動詞で素材は示されていません。ガーゼもない時代、何が包帯として使われていたのでしょうか?植物繊維には違いないでしょうが(亜麻布など)。