ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

原発被災者で一時帰宅した男性の自殺

 2012年5月29日、その2日前原発警戒区域となっている浪江町でずっと暮らしていたと思われる男性が、一時帰宅した際行方不明になり、県警が捜索した結果、営んでいた町の中心部のスーパーに近い倉庫で、首を吊って自殺しているのが見つかりました。
 この男性は。「生きていても仕方ない」「夜よく眠れない」と生前訴えていたとの事です。
 浪江町のホームページを開くと、「原子力災害対策特別措置法に基づいて、福島第一原発から半径20km圏内(海域も含む)を『警戒区域』に設定するという指示が政府より出されました。平成23年4月22日午前0時以降、この区域への立ち入りは制限されます」とあります。

 そのように浪江町の半分は原発から20キロ圏内にすっぽり入っています。あと30キロ圏内まで延長すると、ほぼ全域に近くなります。その北部に隣接して飯館村がありますが、そこも放射線量が高くなっており、私もブログで書きましたが、今後どうすべきか村民の間でも意見が割れ、極めて難しい状況です。
 この「警戒区域」とは、私の高校の先輩池澤夏樹によれば、「高い放射線量ゆえに一般人の立ち入りが禁止される区域」と言い換えるべきだと言っています。「警戒などで済むはずがない」。その通りだと思います。
 その警戒区域に3月20日女性が立ち入り、急に気分が悪いと言って倒れ、数時間後に死亡が確認されたとの情報がありますが、その正確な死因は不明です。
 なおこの浪江町、2012年3月の新しい線引きでは、ほとんどの地域で「帰還困難区域=年間放射線量が50ミリシーベルト超で、5年以上住めない地域」に指定されたようです。これも池澤氏によれば「長期帰還不能区域」という事になります。官僚による巧妙なごまかしの作文だと、池澤氏は怒っているようです。
 ですから自殺した男性は住まいから必要なものを持ち出そうと考えて立ち入ったものの、あまりにもひどい状況を見て絶望したのでしょう。止める人がいなかったのは、本当に残念です。
 原発被災地域ではこの男性に限らず、多くの人が自殺したか、今後自殺するものと思われます。的確な指示が出せない政府や東電に対しては、大きな憤りを感じます。
 ところで聖書でも、数は少ないですが、自殺の記事があります。
 「アヒトフェルは、自分のはかりごとが行なわれないのを見て、ろばに鞍を置き、自分の町の家に帰って行き、家を整理して、首をくくって死に、彼の父の墓に葬られた」(サムエル第二17:23)。
 アヒトフェルという人は、ダビデの議官をしていたのですが、その第三子アブシャロムはダビデに反旗を翻し、アヒトフェルを呼び出し、ダビデ攻略の策を尋ねました。しかしアブシャロムはもう一人の人にも助言を求め、そちらの方が気に入ったので、アヒトフェルは孤立し、絶望して自宅に戻り自殺したのです。
 自殺した浪江町の男性、良きカウンセラーに巡り合っていたならとつくづく思います。