ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

事態のいっそうの悪化:学生ローンの債務を負い、学士号も失う人々の増加

 2012年5月30日のタイム誌電子版で、上記のような題の記事がありました。
 今米国の学生は学費の急激な上昇の為に、入学の時点でローンを借りて勉強しなければならない対象者の数がますます増加しています。こうした記事は米国サイトで良く見かけますが、今度のタイム誌電子版でも詳しく述べています。

 大学の卒業式の時期が近づくと、卒業する者たちはダブルパンチと真剣に取り組まなければならなくなりました。即ち1仕事を見つけるのが容易でなくなって来ている事、2学生ローン支払いの脅威が大きく迫って来ている事です。
 大学中退者もこの時期は憂鬱です。なぜなら学士号が取得出来なかった事を思い出させる時期だからです。
 タイム誌に載っているワシントンポストの分析では、学生ローンを借りた米国人のうち30パーセント近くが中退するそうです。そして彼らはそのローンを完済出来なくなりますが、その割合は学士号を得た人々の4倍にもなるそうです。
 今や学士号を獲得する事は、現在或いはもっと先に仕事を得ようとする人々にとっては、凄く大きな価値となっています。雇用する側では62パーセント学士号が必要であり、その割合は2020年では75パーセントにも昇る事になりそうです。
 そういう認識があるのに中退せざるを得ないのは、学費が高いのでローンが必要な学生がいっそう増え、彼らは大学の授業を完全に受ける事が出来ず、フルタイム或いはパートタイムの仕事を夜やらなければならないからです。
 ちなみに米国経済の不振には、この学生ローンの残高の多さも一役買っています。2011年でおよそ43兆円にのぼり、これは日本の場合の独立行政法人日本学生支援機構のローン残高4兆円の10倍にも達します。
 大学中退者の多さは、「略奪者」と呼ばれる営利目的の大学が増えている事もあります。そうした大学ではとても高等教育にふさわしくない若者たちに、学生ローン付きで入学を認めています。しかしそれは所詮無理な話で、2年制大学(日本の短大に相当)の約半数が学位を取得出来ないそうです。彼らには多額のローンだけが残ります。
 卒業出来ても、この不況下、大卒の資格のいらない仕事に就いている人々が多くおり、果たして学生ローンを借りた事が正しかったのか、論議の的になっているそうです。ほぼ全ての米国人が大学に行きたいと願っていますが、この学生ローンを返済出来ないという事を考えると、益より害のほうが多くなりそうです。
 60歳以上の高齢者でまだその学生ローンを抱えている人々を考察すると、合計36億ドルもの額を負っているそうです。ですから一生働き続けなければならないのに、昨年の統計では65歳以上の人々の僅か18パーセントしか雇用されていません。別のサイトでは債務不履行で自己破産しても、学生ローンはその対象にならないので、払い続ける義務は消すことができないとありました。
 こうした状況は日本の大学でもこれから広がって行くと思われます。まことに深刻で恐ろしい事態です。
 聖書ではデフォルト(債務不履行)は、神の聖なる律法を実行出来ないところに発生します。これが「罪」です(罪とは律法に逆らうこと=ヨハネ第一3:4)。私たちは神に対して一生涯罪という負債を負っています。そしてその報いが「死」です。この神が宣告された死罪に対する赦免金を、神に払える人は誰もいません。だから人は誰でも悲しみながら墓に下って行きます。
 しかしその悲惨な人を憐れみ、自ら代価を払って各人の罪の債務を帳消しにされた方がいます。それが救い主イエス・キリストでした。
 「人の子が来たのも、仕えられるためではなく、かえって仕えるためであり、また、多くの人のための、贖いの代価として、自分のいのちを与えるためなのです」(マルコ10:45)
*贖いという難しい言葉がありますが、国語辞典の「お金や品物で、罪や失敗の埋め合わせをする」参照。ここでは人の子(=イエス・キリスト)が人々の罪の代価としてご自身を十字架で捧げられた事を指しています。
 信仰により罪の債務をゼロにしてもらった人は幸いです。その人は永遠のいのちという賜物まで頂けます!