ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

米国最高裁医療保険法改正の裁決

 日本人には国民皆保険制度がある為、医療費は私の場合3割負担で、最も高く後発品のない薬でも総額13,460円のところ、4,038円で済みます。国民健康保険料をきちんと支払っている限り安心出来ます。
 ところがこれが米国の場合大変です。日本のような国民皆保険制度がないからです。
 米国ではこれまで2つの公的保険制度がありました。メディケアとメディケイドです。メディケアはネットの情報によると「高齢者(65歳以上)と身体障害者(年齢不問)、慢性腎不全患者(透析か腎臓移植を必要としている人、年齢不問)を対象とした医療保険で、連邦政府が管轄して」おり、メディケイドは「一定収入以下の人のための医療保険で、連邦政府の援助を受け、州政府が管轄するプログラム」となっています。前者は社会保障税と呼ばれる税を毎年100ドル、10年間支払えば、医療費の2割を自己負担するだけでよくなります。後者は低所得者なので税は必要ありません。
 それゆえこの2つの公的保険の対象外の人々は、民間の医療保険に加入する事になり、国民の3分の2が加入しているそうですが、保険料が高く、加入出来ないという人々もおり、国民の15パーセントにあたる約4700万人が無保険の状態になっていました(2007年の統計で、2010年には5200万人を越えそうですー堤未果さんのレポートより)。
 2009年にバラク・オバマ氏が大統領に就任してからは、この保険制度のあまりの深刻さに鑑みて、医療保険改革法を提出、2010年3月に成立しました。これは保険料の支払いが困難な貧困者に対して、公的補助を行なう事により、個人の保険加入を義務付け、非加入者に罰則を科すものです。
 ところが国民に保険加入を義務付けるのは憲法に反するとして、全米で26州が提訴した為、オバマ政権は連邦最高裁に訴えていました。
 その審査がずっと続いていましたが、6月28日遂にその裁決が出され、合憲とされました。それはきわどいもので、保守派4人は「違憲」、リベラル派4人は「合憲」と分かれる中、最高裁長官で保守派のロバーツ長官(ブッシュ全大統領の指名)が合憲とした為、僅差で決定されました。
 これを受けて米国各サイトは一斉にその事を報じ、ユダヤ教のラビ(教師)や、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン教授などが、歓迎を意を表しました。

 それに対して対立する共和党大統領候補のミット・ロムニー氏は、「わたしが大統領になったら、医療保険改革法を撤廃する」と述べたそうです。全くひどい話です。彼ら保守層の本音は「主に貧困層の無保険者のせいで自分たちの税金を使われたくない」という事のようです。何という非聖書的で、利己的な主張でしょうか?彼らの多くがクリスチャンであるとは絶対に信じられません!左図は怒る富裕な白人保守派の人。
 「金持ちになりたがる人たちは、誘惑とわなと、また人を滅びと破滅に投げ入れる、愚かで、有害な多くの欲とに陥ります」(テモテ第一6:9)。
 彼ら白人富裕層の考え方をポール・クルーグマン教授は、「残酷だ」と切り捨てました。ユダヤ教ラビは、「誰もが健康保険を失う恐れを抱かずに済む。誰にも希望が与えられた。私は神に感謝する」と述べました。
 合憲でも共和党増税を睨んで、これからも撤廃運動を続けるでしょう。どうなるか私たちも見守りたいと思います。