ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

米国独立記念日の背後にあった事

 2012年7月2日の米国ハフポストサイトに、ジム・モイヤーズという人が「独立記念日トーマス・ジェファーソンの裏切りも覚えておこう」といった題で記事を書いていました。
 この7月4日は米国独立記念日でした。山川世界史を見ますと「1776年7月4日、13植民地の代表はフィラデルフィアで独立宣言を発表した」とあり、今年で236回目を数えます。高校の世界史では膨大な項目を覚えなければならないので、この有名な出来事も、「トマス=ジェファーソンが起草し、人間の自由・平等、圧政に対する反抗の正当性を主張したもので…近代民主政治の基本原理が述べられている」とある位で、極めて簡素な記述となっています。
 私たちはこのジェファーソンという人の名前は覚えさせられても、彼の思想とか背景についてはほとんど教えられていないでしょう。

 ハフポストでモイヤーズ氏は、バーベキュー、花火、旗振り、ショッピングセンターの安売りなど、派手な催しがあった事を述べた後、この独立宣言の背後に、英国に加担した人々の皮肉を込めた出迎えもあった事を記しています。「あなたがたは自分の奴隷の解放もしないまま、どうして『すべての人は平等に造られ』などと宣言出来るのか」。これは独立宣言をした人々には、聖書にある如く「わき腹のいばらとなり、彼らはあなたがたの住むその土地であなたがたを悩ますようにな」りました(民数33:55)。
 そして筆者はこのジェファーソンの実像を追っています。彼はバージニア植民地で1743年に生まれ、14歳で父親が亡くなると、5,000エーカー(20平方キロ)の土地と、そこで働く奴隷を相続した貴族でした。ですから人間の平等といった考え方を嘲笑していました。そして自分の所有する奴隷に自由を与えようとはしませんでした。奴隷の苦役により、彼は広大な農場の経営を破綻させる事なく暮らして行けました。日の出から日没まで鞭で脅しながら、獣同様の労役を数百人の奴隷に強要し、それによって繁盛したので、彼は特権を持つ紳士となり、知的な趣味を追求し、政界への進出も出来たわけです。奴隷たちは彼の死後、負債の支払いの為に売られました。
 彼は上記したように、すべての人は平等に造られたとの文を起草したわけですが、実際には黒人は身体的にも精神的にも白人より劣っていると信じていました。筆者は今日彼の主張を見ると、白人の優位性という病理の中に入る事になると言っています。
 ですから彼の死後奴隷廃止派の人たちは、彼の主張が奴隷解放への大きな妨げになっているとまで言っているそうです。こうしたジェファーソンの黒人差別は、白人たちの心の中に深く定着してしまったようです。ですから今日保守派で富裕な白人層は、依然として黒人やヒスパニックの人々への差別から抜け出していません。
 それゆえジェファーソンには格調高い宣言起草書があっても、人々をだまし裏切った事になります。人々に平等を言っておきながら、自らは生活の中でそれを覆していました。
 独立記念日、その背後にこうした傷や矛盾があった事を忘れないようにしなければなりません。筆者はそうこの文章を結んでいます。
 他のサイトを見ますと、彼はアメリカインディアンに対しても、強制移住政策をとった最初の人となっています。
 同じようなみことばが聖書に載っています。
 「彼らは、むなしい大言壮語を吐いており、誤った生き方をしていて、ようやくそれをのがれようとしている人々を肉欲と好色によって誘惑し、その人たちに自由を約束しながら、自分自身が滅びの奴隷なのです…」(ペテロ第二2:18−19)。