ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

尖閣諸島国有化問題の棚上げ

 突然降って湧いたような石原東京都知事尖閣諸島の都による買い上げ問題、どうなるのか、またどう考えるべきなのか、いろいろ見守って来ましたが、ここに来て野田政権は、何と国が国有化するという事を言い出しました。
 2012年7月11日の朝日新聞は、野田氏が国民の負託に応えず、自民党以上に保守色を強めている事を報じていました。その中にもこの尖閣諸島の国有化の事が含まれていました。
 同じ日の耕論の頁では、外務省出身の孫崎享氏と、東大教授の高原明生氏がインタヴューに答え、その記事が載っていました。比較しますと両者はだいたい同じ事を言っており、険悪になりつつある日中関係に鑑み、この問題を棚上げするのが最善だという事になります。そして次善の策として、しばしば物議をかもすタカ派石原都知事より、国が買い上げるほうがまだましという事が提案されていました。

 孫崎氏は元外務省の専門家として、この問題を歴史的に辿り、分かりやすく解説しています。中国側の領有権主張も決して根拠がないわけではないので、ここは日本側が固有の領土を主張せず、まず「係争地」であるとの認識を持つ事が大切で、それから日中友好の為にどうしたら良いか知恵を絞るべきだという立場でいます。そこで持ち出された中国側の知恵として、故周恩来首相が問題を「棚上げ」した事を指摘しています。野田首相の国有化宣言は、国際社会からの孤立を招き、国益を損じる事になるので、日本も引き続き「棚上げ」すべき事を冷静に考えてゆくべきだと締めくくっています。
 一方高原氏も中国側をいたく刺激させるのは避け、時間をかけて「丁寧に説明を尽くすべき」だと主張しています。大国となった中国との平和共存を地道に模索してゆくべきなのです。
 石原知事の画策を丹羽宇一郎・中国大使が批判していましたが、私は真っ当な批判だと思っていました。それを職権を越え、見識がないと発言した前原氏は、逆に知恵がないと思います。聖書でも知恵を検索すると、旧約だけで300以上ヒットします。「知恵のある者は知識をたくわえ、愚か者の口は滅びに近い」(箴言10:14)等々。若くタカ派である前原氏には適切なみことばかなと思います。
 この棚上げという知恵ですが、イスラエルそして私たちの神である主ご自身も行使しておられます。そもそも知恵は主が与えられるものです。その最たる事柄は何かと考えていましたが、イスラエルの国としての救い(贖い)もその一つでしょう。
 現在イエス・キリストの救いは私たち異邦人の信仰者に授けられています。そしてイスラエルはかたくなにこのイエスを拒んでいます。神はそれをよくご存知で、ちゃんと計画を持っておられます。「異邦人の時の終わるまで」(ルカ21:24)。つまり私たちユダヤ人でない信徒が、世界中でキリストの事を宣べ伝えた後のいつかという事になります。
 それゆえ神はイスラエル問題を現在「棚上げ」しておられ、来るべき終末時の国としての「贖い」の時期を定めておられるのです。
 「これらのことが起こり始めたなら、からだをまっすぐにし、頭を上に上げなさい。贖いが近づいたのです」(ルカ21:28)。
 なお私の主張には異論もあると思いますので、どうぞ忌憚のないご批判を。