ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

グリーンピースインターナショナルの見た日本原発訴訟

 2012年7月6日のグリーンピースインターナショナルサイト(http://www.greenpeace.org/international/en/news/Blogs/nuclear-reaction/japanese-citizens-take-their-nuclear-fight-to/blog/41287/)では、「日本の市民は原発との戦いを裁判に持ち込んでいる」といった題で、記事を寄せていました。原発反対闘争を海外からどう見ているか、参考になる論文です。

 冒頭の書き出しは昨年3月11日の福島原発災害以来初めて、原子炉の再稼動(*大飯原発)が始まる事についてでした。そして「この国の政府は、再生可能なエネルギーによる環境破壊なき将来へ向けて急ぐのではなく、危険な過去へ後退する決断をした」と手厳しく批判しています。地方の指導者たちの反対、日本国民の多くの抗議にもかかわらず、政府は原子炉の再稼動を進めているのです。この国民の懸念に対する無視により、何人かのグループはその再稼動と戦う為、裁判を起こす事を余儀なくされたとあります。
 実は私は他の原発での訴訟の事はこれまでブログでも書いて来ましたが、7月1日に再稼動が強行された事への抗議として大飯原発運転差し止め裁判が起こされた事を知りませんでした。またこの裁判が既に7月9日には審尋も3回目を迎える事で、多くの方々の結集を訴えていた事をネットで知った次第です。
 大手の新聞も福井では伝えていたでしょうが、こちら首都圏では、私の知る限り報道記事はなかったように思います。
 むしろ東京の国会議事堂付近で行われた再稼動反対の周囲デモ、今や「伝説」となった野田首相の「大きな音」発言に報道が集中したような感じです。それも悪くはありませんでした。「抗議の声」を「音」としてしか捉えない首相の冷血さに、強い怒りを覚えた人々は極めて大きな数にのぼったと推定します。あわてた首相は、その「音」を自らの権力の座への固執から「声」に変え、懸命に言い訳している醜態が露わにされました。
 グリーンピースはまた起動前の6月29日に、三号機・四号機で突然生じた数回にわたる警報の事も書き記していました。
 そしてそれに続き、大飯原発地震に関するデータから、神戸大学名誉教授の石橋克彦氏(地震学)と、東洋大学の渡辺満久教授(変動地形学)の名を挙げて、大飯原子炉の下にある断層(逆断層=実質活断層)が、将来関西電力の想定より遙かに大きな地震を起こす可能性がある事を述べていました。
 渡辺教授の断層についての研究はユーチューブで見られます。
http://www.youtube.com/watch?v=jVyaoiw6sFA

 氏によると断層が地表面に現れている所(逆断層と言い、一方の地層が他方の地層の上に乗り上げている事例が示されています)では、将来地震が起こる可能性のある活断層である事を示すものと説明していました。断層の境目の破砕面に軟らかい粘土が存在するのも、活断層の証拠になるそうです。また「地震学」と「変動地形学」は、似ていても接点がないという事も教えられました。地震学者は基本的に地形の変動は分からないそうです。
 石橋名誉教授の2005年の予言は、昨年3月11日に成就しました。
 全く聞く耳を持たない政府に対して、「美浜の会」と「グリーン・アクション」の二つが訴訟を起こしている事も記されていました。
 さらに大飯原発の下を走っている3つの断層の再調査の必要も主張されていました。
 最後にグリーンピースは「なぜ日本の政府は、性急且つ無責任に行動したのか」と問い、福島の悲惨な災害を取上げた上で、再度冒頭にあるように「再生可能なエネルギーによる環境破壊なき将来へ向けて急ぐ」べき事を述べ、この論文を閉じています。厳しくも真っ当な指摘です。日本の大手マスコミはそこまで踏み込んでいないようです。最近朝日はこの時期に消費税増税を煽り、読者からの手厳しい批判を受けていますが、読者の減る事を懸念しこの原発だけは遅ればせながら反対を主張するようになりました。この際まやかしの増税、国民が負託しなかった決定過程の事に鑑み、原発増税も一度リセットし、グリーンピースのような鋭い切れ口の記事を書く事を待ち望みます。以下のみことばがその適用となります。
 「あなたがたは、『主の態度は公正でない。』と言っている。さあ、聞け。イスラエルの家よ。わたしの態度は公正でないのか。公正でないのはあなたがたの態度ではないのか」(エゼキエル18:25)。