ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

人生を変えた本との出合いは

 2012年7月14日の朝日新聞に、「人生を変えた本と出会いましたか」という題で行ったアンケート調査の結果が出ていました。
 この調査にあたった入社10年目、34歳の記者は、それまで上記題のような本との出会いがなかった事が調査の動機であった事を述べています。
 それによりますと、そうした本との出会いがあったという回答者は42パーセント、無かったという回答者は58パーセントになっています(調査対象者は朝日新聞アスパラクラブ会員17,000人)。
 アンケート対象者が2万人弱、しかも実際の回答者数は3038人という事では、とても鵜呑みに出来る数値ではないにしても、6割の人がどうも自己の人生と真剣に対峙しつつ、読書を通して有益な事を学ぶといった、前向きな姿勢ではないようです。
 それは58パーセントにのぼった回答者の「なぜ?」という問いに対する回答が、1たまたま出会っていない、2本にのめり込めない、3読書の目的が違う、4著者と自分の人生は違うなどといった事が上位を占めていたので察しがつきます。このうち全然本を読まない人は6番目で数もぐっと少ないので、だいたい多くの人が読んではいるけれど、熱心な読書家と言えるほどではないという感じになるのでしょうか?そうした人々の趣味と言えば、映画、音楽、テレビが多くを占めていました。

 けれども人生を変えるほどの本との邂逅があったという人々でも、ではそのジャンルはと尋ねると、1小説、2ノンフィクション、3自己啓発本、4専門書、5エッセイと続いています。さすが題からしても、漫画と答えた人は少なかったです。ただこの中で1の小説が他をかなり引き離しています。
 ではどんな小説かと言いますと、記者が挙げていたのは、夏目漱石の『こころ』(*これは先にブログで取り上げた事があります)、太宰治人間失格』、三浦綾子『氷点』、マーガレット・ミッチャー『風と共に去りぬ』などです。この欄で特に姜尚中東大教授も答えています。氏の人生を変えたのは二冊、やはり漱石の『三四郎』、マックス・ウエーバーの『職業としての学問』でした。
 そうした小説の名前を挙げた人々は、その中から逆境や挫折によく効き、生き方の新しい目標を見つけたからという理由なのでしょう。どんな影響を受けたかという設問で、トップを行っています。3の自己啓発本は、私の立場から最も嫌いな分野ですが、必死に企業にしがみついている人々だと、「新しい発想に気づいた」からとか「考え方が反転した」という理由を挙げるでしょう。
 まさに人それぞれです。しかし夏目漱石論で私が展開し、頂いたコメントを見ても、夏目漱石の作品に救われたとか、人生が180変わったという人は少なそうです。むしろその作品の人物像を見ると、あまり前向きに変わってという事はなさそうです。回答にもあった「人生の反面教師を得た」というのはよく分かります。
 聖書が自分の人生を変えたというのはありませんでしたが、これこそ上記題名にふさわしいと思います。というのは「聖」というのは、ただ神のみ聖であって、私たちは皆造られたものとして、罪を犯して堕落した後、神に背いて弱い者となっています。そして過酷な試練が罰として与えられているわけですから、逆境でも聖書に解決のかぎがあるのにそうせず、世のノウハウ本に頼ってしまう愚かな者です。そこで教会の説教によく出て来る箇所を一つ。
 「あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です」(詩119:105)。
 この聖書のみことばが、まさに一人一人の人生を劇的に変えてくれます。そして試練の時に逃れのノウハウが一杯詰っています!