ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

原発直下の活断層

 2012年7月18日の朝日新聞では、1面に「大飯・志賀断層再調査へ 活断層なら停止・廃炉」という題の記事が書かれていました。続いて2面では「活断層ずさん判定」という見出しで、もう少し深く掘り下げています。
 実はなぜこんな分かりきった事柄が今頃出て来たのか疑問に思っていましたが、この再調査を命じたのが悪名高き経済産業省原子力安全・保安院という事ですから、さもありなんといったところでしょうか。特に野田首相大飯原発について「安全性を確認した」という大嘘をついて、再稼動をさせた後に出て来た事ですから、この再調査は事後承諾を与える為のものと断言出来るでしょう。朝日の見出しに踊っている「廃炉」なんてトンデモない!というわけです。
 このずさんな判定には、早速東洋大学で変動地形学の専門家である渡辺満久教授、東北大の今泉俊文教授らが、よく審査を通ったと呆れ顔でコメントしています。名古屋大学鈴木康弘助教広島工業大学中田高教授は、こうした変動地形を研究し、その直情の建物の危険性を指摘しています。
 私が今回知ったのは、こうした先生方が「地震学」ではなく、「地形学」の専門家である事です。前者は震源など地下の構造に強く、後者は地形を見て断層を判断したり、そこを掘り断層の境目にある岩石や粘土などから、過去・将来の動く可能性などを研究しています。ですから地震学専門で固めた?保安院のスタッフたちは、原発直下に断層があってもたいした事はないと高を括っていたのかも知れません。

 左図の断層地形の画像はhttp://janjan.voicejapan.org/living/0808/0808120431/1.phpからお借りしました。
 台湾の逆断層直上の被害についてはhttp://www.oyo.co.jp/report/taiwan/photo/katudan.htmlに多くの写真が載っています。その状況を見てもそうですし、また左図でも、衝上断層の上盤側が下盤側の岩層にのし上げている様子が分かります。そしてその先端から撓曲崖(とうきょくがい)と呼ばれる、地層が階段状に押し曲げられて形成された急斜面が出来ます。ですからその直上の原発が地震で動けば、破壊されるのは間違いありません。また図に断層面というものが載っていますが、そこでは断層運動で岩石が破砕され、不規則な割れ目の集合体となっています。そしてその破砕帯の中に破砕粘土も含まれ、渡辺教授らはこれらの詳細な観察から活断層であるかどうかを判断しています。
 この断層の再調査は、大飯・志賀だけでなく、福井のもんじゅ美浜原発敦賀原発、青森の東通原発、北海道の泊原発など、続々と行われる予定です。
 こんなにも危険な原発土台なのに、安全!安全!と騒いで来た連中が、ここに来て再調査と踏み込んだのは、これまで日本国民は死んでも構わないけれど、もし福島と同じほどの、或いはそれ以上の原発事故が起きたら、自分たちが危ないと経済産業省原子力安全・保安院も考えるようになったからでしょうか?
 「わきまえのない者の背信は自分を殺し、愚かな者の安心は自分を滅ぼす」(箴言1:32)。
 また私たちは原発のない平安な社会を望んでも、政府・官僚・経団連など産業界の三位一体の悪霊にとりつかれた人々が、悔い改めて廃止しない限り、無理でしょう。
 「平安を待ち望んでも、幸いはなく、癒しの時を待ち望んでも、見よ、恐怖しかない」(エレミヤ8:15)。