ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

田中俊一氏は「原子力規制委員会委員長として適任か

 2012年8月2日の朝日新聞2面で、新たに発足する原子力規制委員会委員長候補の田中俊一氏が所信を表明していました。

 「これまで内閣府にあった原子力安全委員会と、経済産業省の傘下にあった原子力安全・保安院、そして実働頭脳集団であった独立行政法人原子力基盤機構」という「三層構造」が解消され、その他の機能をも統合・一元化することで、真に安全を第一に考える組織である」原子力規制委員会設置法が決まり(ネットの情報より)、9月にも発足の予定となっています。
 しかしそれまでに委員会メンバーが決まらないといけませんが、5人の委員候補が出揃っています。
 その中で現在問題になっているのが、委員長候補の田中俊一氏です。
 田中氏は東北大学工学部原子核工学科出身で、一貫して反原発を主張してきた京大原子炉研究所助教小出裕章氏の1年先輩にあたります。しかし二人は卒業後、全く正反対の方向に進む事になります。
 田中氏はウイキぺディアによりますと、特殊法人日本原子力研究所(現在独立行政法人日本原子力研究開発機構)に入り、原子炉などの総合的な研究に携わって来た人です。そして一般社団法人日本原子力学会の会長も務めて来ました。その現会長田中知東大教授の事は、既にブログでも触れました(http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/comment?date=20120530)。典型的な「東大話法」を駆使する原子力推進派の学者です。そして田中氏はその少し前の会長でしたから、朝日の追及に対して、「経歴から、原子力ムラの住人と言われるのを否定するすべはない」と明確に答えています。
 そして田中氏について明るみに出たのは、日本原子力文化振興財団などから、昨年約29万円の報酬を得ていた事です。これがマスコミ等に知れ渡り、委員長候補として原子力ムラからの住人は選ばないという条件に抵触するのではないかと追及されているわけです。
 私はこの29万円という額から「ハインリッヒの法則」を連想しました。つまりその背後に300万円というお金が、極秘裏のうちに田中氏に流れていたのではないかという疑念です(間違ったらごめんなさい)。
 3日の朝日夕刊にもありましたが、上記廃止の決まった内閣府原子力安全委員会の近藤俊介委員長に対して既に昨年12月、経済産業省の或る幹部が原発維持を画策するメモを渡していました。そうした流れの中から成立したこの原子力規制委員会、やはり裏で官僚たちによる死にもの狂いの原発維持工作が行われていたのは間違いないでしょう。
 田中氏は朝日の取材では、原子力規制強化の姿勢を訴えています。例えば大飯原発の再稼働後に発見された活断層と思われる断層の調査と、結果次第での廃止を明言しています。福島原発野田首相が述べた収束宣言に対して、それは違うと異議を唱えています。除染についてもさらに速やかな取り組みを約束し、原発40年廃炉も提唱しています。政権からの独立性が売りとなる、と朝日も評価しています。野田政権でさえ、原発推進でありながら、こうした痛い指弾も歓迎しているそうです。政権へのイメージが変わるとほくそえんでいるのかも知れません。
 しかし田中氏への批判は時間と共に、燎原の火の如く広がっています。おそらくこの人事ご破算になるのではないかと思いますが、どうでしょうか?
 聖書にもこうしたリーダーはいました。かの有名なソロモンがその一人です。彼は知恵者であり、イスラエルの三代目の王として活躍しました。王政の始まりと共に、民の期待も高まっていました。しかし彼は禁忌であるエジプトの王と親交を持ち、その娘を娶るという、小さくても無視出来ない行為をしていました。田中氏が受け取った29万円のようなものです。
 従ってその影響は後で出て来ます。しかしまずは神殿建設という大事業がありました。その完了した時、ソロモンはイスラエルの全集団を祝し、主なる神に祈りました。過去の民の罪の赦しと今後も新たな気持ちで主に従う事を誓いました。田中氏も始めは規制行動で実績を示そうとするでしょう。
 しかしそれから間もなく、ソロモンはパロ(王)の娘を娶るという「小さな罪」をさらに発展させました。
「パロの娘のほかに多くの外人の女…を愛した…彼には七百人の王妃としての妻と、三百人のそばめがあった。その妻たちが彼の心を転じた」(列王第一11:1,3)。
 それから王国の瓦解が始まります。原子力規制委員会も、原発推進派によるソロモン型の女・カネの大攻勢で屈し、有名無実となるか、米国の規制委員会のように推進派が多数を占めて、存続の大キャンペーンを張ってゆくかのどちらかになるでしょう。