ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

欧州は核廃棄物埋葬で大きな賭けに出ようとしている

 2012年6月13日のロイター通信(http://www.reuters.com/article/2012/06/13/us-nuclear-waste-idUSBRE85C0YM20120613)は、フィンランド、フランス、スエ-デンなどの核廃棄物最終処分場問題について記事を載せていました。
 核廃棄物は現在ほとんど地表段階での処分がされていますが、フィンランド、フランスとスエーデンでは、世界で初めての永久貯蔵所を地下数百メートルの所に建設する計画を立てています。
 そのうちフィンランドでは既にオンカロ(洞窟を意味するフィンランド語)と呼ばれる最終貯蔵所建設を、ヘルシンキの南西およそ230キロの所で始めました。そこでは核廃棄物を100年間にわたり受け入れ、それから少なくも10万年そこに貯蔵するという計画になっています。

 過去30年間にわたり、様々な核廃棄物処分の為の選択肢が研究されてきましたが、その中には太陽に向けて撃つとか、北極に埋めるとか、海底に貯蔵するとかいう案も含まれていました。結果的には適切に選ばれた地層の中に処分するのが、悪い中でも一番ましという事になりました。フィンランド外務省ホームページ参照(http://www.finland.or.jp/public/default.aspx?contentid=231845&nodeid=41206&contentlan=23&culture=ja-JP
 でもフィンランドの環境問題専門家たちは、これから100年経過しても、オンカロが安全であるか明確ではないと言っています。気候や地震によるずれで、廃棄物が漏れ出し、地下水を汚染する事があり得るからです。
 核廃棄物は銅と鋳鉄のカプセルに入れ、ベントナイト粘土(高い粘性、吸水性のある粘土で、米国ワイオミング州フォートベントン頁岩層にある事で命名されたとウイキぺディアにあります)で覆い、地下420メートルの花崗岩体の中に封入するというものです。
 工事を担当するポシヴァ社の専門家によると、事故が生じても地上の人々への衝撃は最小であるはずだとの事です。仮にキャニスターと呼ばれるその金属円筒容器が破壊しても、地上での放射線量は0.1ミリシーベルトを超える事はあり得ないと、彼らは言っています。
 オンカロの建設労働者たちは5キロのトンネルを完了させましたが、それはこれから螺旋状に下り、およそ400メートルの深さまで届く事になっています。そこでの貯蔵所では廃棄物の貯蔵を2020年から始める予定です。

 一方フランスでは東部にあるビュールという所(パリから車でおよそ3時間)で2025年から、地下廃棄物貯蔵を始める予定でいます。そこは人口密度が低く、珪質粘土岩の分厚い層がある為選ばれました。しかし建設はまだ始まる段階ではなく、公開討論会がずっと続いています。
 スエーデンではフォルスマルクという所に一応決まっていますが、実施はこれからです(http://www2.rwmc.or.jp/wiki.php?id=hlw:se:chap4参照)。
 また米国ではネバダ州のユッカ山が候補地でしたが、オバマ大統領がその計画を棚上げしました。調査委員会はやはり地下に埋める事以外の選択肢はないので、新たな場所を見つけるべきだと結論付けました。
 ドイツではゴルレーベンの中間貯蔵所を最終保存所にするという計画が、根強い反対に直面しています。
 日本は現在青森県六ケ所村に最終処分場を計画していますが、これも実現不可能でしょう。
 なぜ核廃棄物処分が難しいのか?熱力学第二法則が一般に適用されるからです。以下の聖書箇所はそれを示しています。
 「あなたははるか以前に地の基を据えられました。天も、あなたの御手のわざです。これらのものは滅びるでしょう。しかし、あなたはながらえられます。すべてのものは衣のようにすり切れます…」(詩102:25−26)。
 ここで「すり切れます」というのは、衣に限らず全物が古くなり、崩壊し、摩耗・損耗するという事です。私たちはこの物理学における基本法則を数学的に知らなくても、経験的に聖書から知っています。金属の筒も、配管も、地層も全て当てはまります。たかだか100年の核廃棄物の管理でも、損耗は深く静かに進行して行きます。そして地球全体にわたり取り返しのつかない事態になります。上記聖書箇所はそれを預言しています。フランスもスエーデンもこうした事を念頭に、一生懸命研究していますが、絶対安全な核廃棄物処分法は見つかる筈がありません。もう全世界を見れば、絶対ピンチの段階に来ていると思います。一刻も早く原発を廃止し、最終処分の仕方について世界が協力し合い、悪い状況の中、最悪ではない手立てを考えてゆくべきです。
 なおmatsuiismさん(http://d.hatena.ne.jp/matsuiism/20120728/p1)が『欧州のエネルギーシフト』という本を紹介して下さいましたが、このブログと大いに関係しており、おすすめの一冊です。