ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

政府のエネルギー政策意見聴取会終了

 2012年8月5日の朝日新聞には、「原発ゼロ指示7割 意見聴取会終わる」という題で、1面隅に記事が載っていました。
 この意見聴取会は、東日本大震災の事故を踏まえ、政府の「エネルギー・環境会議」なるものが主体となり、7月14日から全国11の会場で開催し、8月4日に終了しました。

 その意図は2030年のエネルギー・環境に対する三つの選択肢(原発依存度を基準に、一0%二15%三20〜25%)を掲げ、その中から会場に参加した人々の意見表明をしてもらい、その結果を8月に公表し、革新的エネルギー・環境戦略を決定してゆくというものでした。それが6月29日に決まり、7月14日から1か月足らずの期間のうちに実施され、あっという間もなく終わってしまいました。
 この2030年度における原発比率ですが、そもそもどんな基準で三つの選択肢を決めたのかという疑問がありますが、それより現在脱原発原発推進かという、国を二分する論争が全国的に広まっていて、本来なら選挙でそれを問うべき重大な問題なのに、役人が姑息な方法で編み出したとしか言いようがありません。
 私の推定では二者択一だと、一と三にすれば、一が大勢を占めてしまうため、二を加えて「緩衝」の効果をもたらすようにしたと思っています。
 それはとにかく朝日の報道では一の原発ゼロを7割が占めたのは当然でしょう。朝日では11の会場別統計がされていました。ただどの会場も人数がまちまちで、この7割という数字が本当かどうか分かりません。統計学の専門家からすれば、計算が難しいのではないですか?どなたか教えて下さい。
 いずれにせよ、世論は原発ゼロ、経済界は15〜25パーセントという事になり、世論の7割を政府が尊重するなら、そうなるでしょうが、経済界の圧力を受け入れれば、原発推進という事になります。
 そうした割れた意見について、聖書でもこんな事が言われています。旧約聖書列王第一12:8,10にあります。
 「しかし、彼はこの長老たちの与えた助言を退け、彼とともに育ち、彼に仕えている若者たちに相談して…彼とともに育った若者たちは答えて言った。『あなたの父上は私たちのくびきを重くした。だから、あなたは、それを私たちの肩から、軽くしてください。』と言ってあなたに申し出たこの民に、こう答えたらいいでしょう。あなたは彼らにこう言ってやりなさい。『私の小指は父の腰よりも太い』」。(列王第一12:8、10)。
 ここで彼とはレハブアム、あなたの父上はソロモン王、私たちとはソロモン王に追われてエジプトに逃げたヤロブアムでした。これを現代の状況に当て嵌めると、愚かなレハブアムは政府首脳、長老たちは原発に敏感になっている健全な世論、若者たちは経済界(上記若者たちのように軽率ではないですが)や、利己的観点から原発をただ促進したいという人々になるでしょう。
 もしレハブアムが長老たちの助言を受け入れていれば、国が分裂する事はなかったでしょう。しかし彼は何を思ったのか、経験もない若者たちの意見を尊重して、重荷をさらに増やす方向で決定してしまいました。その結果ヤロブアムはイスラエルの10部族を組織して北イスラエル王国を樹立し、愚かなレハブアムは2部族で南ユダ王国を樹立しました。国は分裂しました。
 もし政府が始めから原発ありきで、この意見聴取会を開いたのなら、それは政権の「国民的議論」を尽くしたという「事実」を作るアリバイとして利用されるだろうと、朝日では推測しています。
 結局聖書と同じように、ただ自己の利益だけ、国民の将来の安全など一顧だにせず、重いくびきを負わせる愚かな若者たち、いや愚かな財界などの「重鎮たち」の意見が採択されるのでしょう。しかしそうした政策決定のプロセスでは、イスラエル同様この国も必ず亀裂の幅が広がってゆくに違いありません。
*お知らせ:夏のキャンプが17〜18日とあるので、17日夜に公開するブログはありませんので宜しく。