ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

忘れっぽいバイオリニストがスイスの列車に楽器を忘れる

 2012年8月3日のタイム誌電子版(http://newsfeed.time.com/2012/08/02/forgetful-violinist-leaves-priceless-stradivarius-on-swiss-train/#ixzz22iWyhocS)に、「忘れっぽいバイオリニストが極めて貴重なストラディバリウスをスイスの列車に置き忘れる」という題で記事が書かれていました。下左画像はネットから借用。

 スイスの音楽家アレクサンドル・ドュバッハ氏が数百万ドルの価値のあるストラディバリウスのバイオリンを列車に置き忘れたままベルンで下車し、すぐに気が付いてあわてて遺失物取扱所に届け出ました。そして5日間の捜索の末に、それは所有者のもとに無事戻りました。
 見つけたのはパスカル・トレトラという人で、どうもそれは貴重な忘れ物ではないかと疑い、車中には酔っ払いなどもいた為、いたずらされないよう気をつけて届けたのが幸いしました。
 ドュバッハ氏はもう二度と自分ではバイオリンを運ばないと誓ったそうです。
 このバイオリン、アントニオ・ストラディバリという人が17世紀後半から18世紀初頭にかけて作り出したものです。彼の制作したものはおよそ6百しか残っておらず、世界で最上の楽器と見なされています。
 ジョシュア・ベルストラディバリウス、チェロのヨーヨーマも彼の作ったものを所有しています。ちなみにヨーヨーマは、そのチェロを1999年タクシーの中に忘れた事があって、よく知られているそうです。また2008年にも米国のバイオリニストがやはりタクシーの中に忘れて来た事件がありました。
 昨年東日本大震災が生じたとき、特に津波被災者たちの為の基金を募る為、このバイオリンの一つが競売にかけられ、1590万ドルで落札したそうです。
 金では買えないほどの代物なので、私たちがよく知っている遺失物発見の謝礼としてもらう1割も、実質的には無理のようです。上記米国のバイオリニストのストラディバリウスは4億2千万円なので、彼は搬送時所有していた全財産1万円を渡した上で、改めて自分のコンサートに発見者の運転手を招待したそうです。
 バイオリンにせよ、チェロにせよ、決して小さくない楽器です。しかも高価なものです。どうしてそれをタクシーの中に、いとも簡単に忘れてしまうのかと、私たちはいぶかってしまいますが、モノをどこに置いたか頻繁に度忘れする私たちですから、あまり人の事は言えません。
 聖書にも「忘れる」事について、多く記されていますが、主として自己の救い主である主イエス・キリストに関する記事がほとんどです。
 その中で一つ、旧約の印象深い記事があります。創世40に出て来ます。ヤコブの11番目の子ヨセフは、或る事柄から他の兄弟たちの妬みを買い、通りかかった隊商たちの手により、エジプト王パロのもとに売られました。ところがその侍従長の妻がワルで、姦淫の罪を犯そうとしますが、ヨセフに逃げられた為、逆に彼に濡れ衣を着せました。それで彼は監獄に入れられました。そこにはパロの献酌官と調理官も、罪を犯した為一緒に拘留されていました。或る日その献酌官は夢を見て、その解き明かしをヨセフに頼みました。それは成就し、献酌官は釈放されるのですが、その時ヨセフの頼みごとである、監獄からの解放をパロに訴えるのを忘れてしまいました。彼は監獄で出会った貴重な「夢の解き明かし人」の事をすっかり忘れてしまったのです。
 「ところが献酌官長はヨセフのことを思い出さず、彼のことを忘れてしまった」(創世40:23)。
 でもヨセフの偉いところは、主が共におられたので、監獄で腐ってしまわなかった事です。
 そして定められた時に彼は解放されただけでなく、エジプトのナンバー2として祝されたのでした。
 キリストは宝のあるところに、その人の心もある事を言われました。それでも私たちは貴重なものを忘れてしまう事があるのです。この記事から私も改めて自分の貴重な宝の事を銘記しました。