ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

大学の修了は幼児期の読解力や算数の成績によっては予測されない

 2012年8月6日のサイエンスデイリサイト(http://www.sciencedaily.com/releases/2012/08/120806151405.htm)に、「就学前の児童が注意を注ぐ事が出来ると、大学を終える可能性がさらに高くなる:大学の修了は幼児期の読解力や算数の成績によっては予測されない」という題で論文が紹介されていました。オレゴン州立大学の新しい研究成果です。http://oregonstate.edu/ua/ncs/archives/2012/aug/preschool-children-better-attention-spans-more-likely-finish-collegeにも同じ事が書かれています。
 幼児期に注意を払い、仕事をやり通す力を培うと、大学卒業のチャンスが50パーセント以上出て来るという事だそうです。
 既にブログでも書きましたが(http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/20120609/1339231970)、米国の教育では、ブッシュ大統領の時代「おちこぼれ防止法」が成立し、各州は全ての生徒が数学と読み書きで日常生活に支障のない程度の学力を備えるようにしなければならない、という法的義務が各学校や勤務する教師たちに課されました。
 昔からよく「読み書き算盤」という事が言われていました。コトバンクによると「文字・文章を読むこと,内容を理解して文章を書くこと,および計算すること,ならびにそれらができる能力をもっていること。とくに近世末期以降,初等教育における基本的な教育内容とされ,また初等教育で獲得させる基礎的な能力・学力をいう」とあります。

 確かにその通りだと思いますが、ブッシュの「落ちこぼれ防止法」の実態はひどいもので、この読み書き算盤のノルマが達成されなければ、学校廃止も教師の辞職勧告も、生徒の転校もさせるという内容なので、特に教師は必死の思いでいます。教師が国語や算数以外に、生徒たちの注意力を涵養し、目標に向かってじっくり仕事をやり通せるようにするだけの時間がとれるか、と言いますと、何だか無理のような気がします。
 この研究では就学前の子どもたち430人を対象に調査したところ、学力よりも注意を払い、仕事をやり通す意志を持っている事が重要であるのが分かりました。
 研究者の一人は「大学過程が修了出来るかどうかという事の最大の予測としては、算数や読む技術ではなく、彼らが4歳の時注意力を集中させ、仕事を達成させる事が出来たかどうかという点にかかっている事が示された」と言っています。
 研究チームの指導者であるミーガン・マクレランド教授は、児童心理学で良く知られた人物だそうですが、自身が達成感の喜びとを経験しています。そして多くの研究によると、大学を修了すれば、高い給与とより良い仕事の安定がもたらされる事が示されているとし、とにかくその為には幼児期にどんな教育がされたかという事を特に重視しています。

 さらにマクレランド教授は才能があるという事は、必ずしも必要な時に注意力を集中させる事が出来るとか、仕事を達成させる事が出来るという意味にはなりませんと言っています。学力も大切ではあるけれども、そうした他の能力も人生の後のほうでの成功の為にも大切なのです。
 聖書ではどうでしょうか?
 主はご自身の律法についてこう命じておられます。
 「私がきょう、あなたに命じるこれらのことばを、あなたの心に刻みなさい。これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい。あなたが家にすわっているときも、道を歩くときも、寝るときも、起きるときも、これを唱えなさい」(申命6:6−7)。
 これを見ますと、ユダヤの人々は大人も子どもも、律法の素読と記憶が重視されています。それも生涯にわたる持続した学びです。この時代律法はまだ完成していませんから、子どもは親が話すみことばをきわめて注意深く聞かなければなりませんでした。読解力以前の問題でした。しかもここには「算数」は入っていません。ですから上記マクレランド教授らの研究の基礎にはこの申命記の主の教えが基礎になっていると言う事が出来ます。
 よくアインシュタインが小さな時「落ちこぼれた」と言われていますが、ちょっと違います。彼は算数の力は抜群でした。ただ言葉の問題でつまずいた事が大きかったのでしょう。しかし彼の父親は神の賜物は必ず開花すると彼に言い聞かせていました。ですから努力を持続させる事が出来たのです。