ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

なぜ幼児はしばしば病気になるのか?

 「なぜ幼児はしばしば病気になるのか?研究によると、細胞の情報伝達は大切な免疫細胞の成長を阻止している」という題で、2012年8月7日のサイエンスデイリサイト(http://www.sciencedaily.com/releases/2012/08/120807101334.htm)では、記事が紹介されていました。ミシガン大学微生物学・免疫学部の研究者たち(ヤスミナ・ラウアル助教授ら*発音は不明)による研究成果です。

 これまで幼児のウイルス感染との戦いについては諸説あり、幼児がもっと成長してからの事だと思われていました。でも戦う自然の能力は、ずっと早い時期から可能である事が分かりました。
 研究者たちはかぎとなる細胞の情報伝達が、幼き時に大切な免疫細胞の成長を抑制する事を知りました。ですからこの情報伝達を遮断すれば、幼児の感染に対する反応の改善をもたらすだろうと言っています。
 ラウアル助教授は、「幼児期に起こる事は、他の免疫細胞と同様、ナチュラル・キラー細胞(NK細胞)が、大人になるまでその機能の成熟を達成出来ない事です」「この時期幼児は未成熟な免疫系のままで放置されますが、それにより感染からの守りが不可能になります」と言っています。
 ナチュラル・キラー細胞とは、「自然免疫の主要因子として働く細胞傷害性リンパ球の1種であり、特に腫瘍細胞やウイルス感染細胞の拒絶に重要である。細胞を殺すのにT細胞とは異なり事前に感作させておく必要がないということから、生まれつき(natural)の細胞傷害性細胞(killer cell)という意味で名付けられた」とウイキぺディアにあります。

 そのナチュラル・キラー細胞の反応がなぜ欠けるか、幼児の免疫学では大きな理解の間隙がありました。
 研究者たちはその理由を「形質転換増殖因子β」(=TGF-β)に求めました。すなわちナチュラル・キラー細胞は形質転換増殖因子βにより制御されているからだという事です。それは主として骨髄から産生されます。
 マウスの実験では、形質転換増殖因子βの情報伝達が遮断されると、成熟するまでに10倍も多くのナチュラル・キラー細胞を持っていた事が判明しました。
 ラウアル助教授は「驚いた事に、もし形質転換増殖因子βの情報伝達が遮断されると、ナチュラル・キラー細胞は10日も早く成熟を完了させる事が出来るのが分かりました」と言っています。
 ですから研究者たちは、形質転換増殖因子βの情報伝達を機能的に不活化する事を、幼児期のナチュラル・キラー細胞欠如を逆転させる戦略として探ってゆくつもりでいます。追試がもっと必要になって来るでしょう。
 幼児のウイルス感染ははなはだ危険ですが、こうした成果が一刻も早く、実際に実現する事を望みます。
 創造のはじめ、人間は成熟した状態で創造されました。そして彼らはエデンの園にあって、全く健全でした。アダムが罪を犯し、堕落してから、死は勿論の事、様々な病気も世に入って来ました。既に存在していた形質転換増殖因子βの情報伝達が、何らかの形で遮断される事態も、その時生じたのではないかと思います。聖書の時代の幼児が長生きするのは困難だったかも知れません。
 列王第一17には、エリヤという預言者が登場していますが、彼はひどい日照りの時各地を転々としていて、シドンの地ツァレファテにたどり付きましたが、そこに餓死寸前の母親と息子がいました。この時のピンチは主による守りがありましたが、次のような記事が出て来ます。
 「これらのことがあってのち、この家の主婦の息子が病気になった。その子の病気は非常に重くなり、ついに息を引き取った」(列王第一17:17)。
 おそらくこの息子も飢えで免疫系が弱り、ナチュラル・キラー細胞がうまく働いてくれなかったと想像します。
 しかし預言者エリヤは主の御力によって、この息子をよみがえらせました。