ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

「警告:喫煙はあなたを殺す」

  2012年8月29日のニューヨークタイムズ電子版社説に上記の題で記事が書かれていました(http://www.nytimes.com/2012/08/28/opinion/warning-smoking-can-kill-you.html?_r=1)。
 米国では毎年およそ40万人が喫煙で亡くなっており、それは平均すると約13年も命を縮めている事になります。しかしその数字には副流煙で亡くなる5万人は含まれておらず、また喫煙による病気の人々の数が860万人に上る事が含まれていません。
 議会ではこの事実を重視し、2009年に「家族喫煙予防とタバコ規制法」というものを、通過させました。
 そして私たち日本人もニュースで覚えていると思いますが、タバコの箱に大きくなまなましい警告の写真を付けたものを販売する予定でいました。タバコ会社が欺きの宣伝をして来た長い歴史があった為です。それでもはやテキストだけの陳腐な警告だけでは功を奏しないと分かったので、その写真で喫煙を防ぐ効果を増大させるつもりでした。2011年7月にその写真入り警告文が9種発表されていました。その写真と警告文入りタバコの箱は、2012年9月に販売する事が義務付けられていました。

 ところがコロンビア特別区アメリカの首都ワシントンD.C.の正式な名称)にある控訴裁判所は、8月24日タバコ会社の訴えに基づき、この新しい警告入りタバコ販売を無効として退けました。その理由は米国憲法修正第一条に反するからというものでした。この修正第一条とは「合衆国議会は、国教を樹立、または宗教上の行為を自由に行なうことを禁止する法律、言論または報道の自由を制限する法律、ならびに、市民が平穏に集会しまた苦情の処理を求めて政府に対し請願する権利を侵害する法律を制定してはならない」というものです。
 この警告は喫煙率を減らすという政府の証拠の備えが出来ていないと裁定されました。そしてそれは企業の自由な言論の抑制を正当化出来ないものとされたことになります。
 でも社説では、「この見解はそうした会社が何十年もの間数十億ドルものお金をかけて、消費者に対して喫煙の恐ろしい結果について欺いてきた事を無視している」と手厳しいです。ちなみに米国経済の損失は医療費と生産損失で毎年2千億ドルになっています。
 最終結果は最高裁で出される予定です。
 結果を受けて喫煙しない人々は、「タバコ会社はそうした警告が効果的である事を良く知っているから、それと戦っているのだ」と言っていました。
 こうした写真入り警告のタバコの箱はカナダ、オーストラリア、チリ、ブラジル、イラン、シンガポールでは既に採択されているようです。
 それにしても米国のたばこ産業は、自由な言論という事で修正第一条などを持ち出し、被害者の事を全く顧みないひどい企業です。その中におよそキリスト教信徒などいないでしょう。
 「彼の口は、のろいと欺きとしいたげに満ち、彼の舌の裏には害毒と悪意がある」(詩 10:7)。
 「欺きの舌よ。おまえはあらゆるごまかしのことばを愛している」(詩 52:4)。
 「憎む者は、くちびるで身を装い、心のうちでは欺きを図っている」(箴言26:24)。