ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

女性の力をもっと

 私の高校の1年先輩の池澤夏樹氏が朝日で書いている「終わりの始まり」ですが、11月6日の題は「人的埋蔵資源 女性の自由さ生かそう」でした。
 東日本大震災では、その復興の為に地道に黙々と努力している人たちがいます。池澤氏はそういう中で知り合った「友人」たちをまず紹介しています。職種は電気工事であったり、重機での土木作業だったりと従来男の仕事でした。しかし今はそうした意志と能力を持った女性たちが活躍しています。
 ところで、池澤氏は近頃世界経済フォーラム(WEF)が発表した2012年の「男女格差報告」を紹介していました。この報告は既にブログ仲間のコメントでも触れた事がありますが、WEF_GenderGap_Report_2012といい、ネットで全文をPDFファイルで読む事が出来ます。アドビ・リーダーで381ページありますが、図表が多く比較的読みやすいです(*英文ですが)。

 その目次を見ますと、第一部「世界の格差比較」、第二部「国の統計データ」と大きく二つに分かれており、第一部の最初に2012年性格差指標が載っています。30ページ余りですが、そこが比較するのに大切な箇所です。経済・教育・健康・政治の四分野で評価がされています。全部で132カ国です。
 その表3aに2006〜2011年までのランキングを含めた2012年の各国別指標が載っています。そこではトップがアイスランド、第二位がフィンランド、第三位がノルウエー、第四位がスエーデンと北欧諸国が占めています。北欧では男女格差が極めて少ないという事になります。米国は22位ですが、日本は実に101位と最低に近く、最低はイエーメンでした。
 次の表3bは経済・教育・健康・政治の四分野を含めた詳しいランキングです。これも総合では北欧諸国がトップで格差が僅少という事になります。そして米国も日本も順位は上記と同じでした。日本の分野別では経済102位、教育81位、健康34位、政治110位となっていました。健康については日本の健康保険制度が効いて、ランクが上位ですが、教育・経済格差は下位、そして政治(権限、権利)は、総合ランキングが3aの総合指標よりもっと下げて、世界で最低に近くなっています。米国での政治は、近頃の選挙で上院に当選したエリザベス・ウオーレン(ロムニーの本拠地マサチューセッツ州)や、タミー・ボールドウィン(*同性愛者でライアンの本拠地ウィスコンシン州での初当選)などがいて、さぞ政治的格差が少ないと思いますが、実際には55位でした。
 表4の所得格差では高所得国の中で、やはり最低に近い101位でした。
 表6政治的地位副指数の地域的実績の解説では(27ページ)、101位の日本は女性の国会議員の減少、出生時性比の減少が挙げられていました。日本は国会議員、上級職員、経営者など、実績からすると最低10の国の一つとなり、上級で高度な技能を持つ女性の比率がかなり低い事を示していました。
 その後別表が続いて、それぞれに面白いのですが、省略して、第二部の「国の統計データ」に移りますと、216〜217ページに日本の事が載っています。上記指標を改めて掲載していますが、政治面で見ますと、2006年の83位から、2012年に110位と下がっています。
 池澤氏はこれを評して、「今もって男性の、男性による、男性のための国なのだ」と言っています。ですからIMF専務理事のラガルドは「女性が日本を救う」と、NHK番組で語ったそうです。「使われていない女性の能力を社会に向けることで日本を活性化する」事が急務になるでしょう。
 女性は育児の事がありますし、基本的には聖書にある男性に「ふさわしい助け手」(創世2:18)として造られたわけですから、仕事について池澤氏は「パートタイムの方が生理にかなっている」と言っています。
 11月7日のハフポストサイトでは、アミー・シスカインドという女性が、オバマの選挙勝利に関連して、「私たちの国の女性たちは、この選挙の晩に自分の意見を言った。投票を通して、ずばりと遠慮なく言った」と書き出し、共和党の人々に対して軽蔑されてきた事への怒りを露わにしていました。11月20日の朝日新聞では、米国在住の米谷ふみ子氏も、女性侮辱を怒っていました。
 日本も選挙が近いです。男性の、男性による、男性のための国から変えてゆかないと、旧態依然の政治が続くでしょう。
 「夫たちよ。キリストが教会を愛し、教会のためにご自身をささげられたように、あなたがたも、自分の妻を愛しなさい」(エペソ5:25)。
 これも男性優位社会にあって大切な教えです。