ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

討論型世論調査

  「しかし、パウロは、彼らの一部がサドカイ人で、一部がパリサイ人であるのを見て取って、議会の中でこう叫んだ。『兄弟たち。私はパリサイ人であり、パリサイ人の子です。私は死者の復活という望みのことで、さばきを受けているのです。』彼がこう言うと、パリサイ人とサドカイ人との間に意見の衝突が起こり、議会は二つに割れた。サドカイ人は、復活はなく、御使いも霊もないと言い、パリサイ人は、どちらもあると言っていたからである」(使徒23:6−8)。
 ここで議会とはユダヤ人たちの最高議会の事です。宗教・司法・行政上の事を議決しました。議長を除く70人の議員で構成されていました。ここに使徒パウロが呼ばれ、意見を述べたわけですが、それを聞いた後議会ではパリサイ人とサドカイ人の議員の間で討議がされましたが、合意に至りませんでした。

 2012年11月27日の朝日新聞に、スタンフォード大学教授のジェームス・S・フィシュキン氏が慶大に招かれ、氏の提唱する討論型世論調査(DP)について発言した記事がありました。

 DPとは「通常の世論調査とは異なり、1回限りの表面的な意見を調べる世論調査だけではなく、討論のための資料や専門家から十分な情報提供を受け、小グループと全体会議でじっくりと討論した後に、再度、調査を行って意見や態度の変化を見るという社会実験」(http://keiodp.sfc.keio.ac.jp/?page_id=22)。
 野田政権において「2030年の原発依存度をどうすべきか」という題で、このDPが行われました。原発の割合を「0パーセント」「15パーセント」「20〜30パーセント」で提示がされました。討論会以前は0パーセントが32.6パーセント、討論会後にそれが46.7パーセントに増えた為、あわてた野田政権は、後の二つを合わせると5割を占めるので、「ゼロとする案には半数程度の国民が懸念を示している」などと、DPの主旨である「集団への同調圧力を排除し、意見の多様性を確保する為、合意の形成を禁止する事」を無視し、捻じ曲げた事は記憶に新しいでしょう。その経緯を見ても、米国では盛んなDPが、日本ではまだ全然未熟で採り入れられない事が、露わになりました。
 政府主催の討論会が12年8月に慶応大学で行なわれた時、フィシュキン教授を招いた曽根泰教教授は、「もののわからない国民が『0%支持』と考えているようだが、そうではない。DPのデータを分析すれば、『安全性の点でそうしても納得がいかない』という国民のギリギリの本音が表れていることがわかる」と、経済界を牽制しています。