ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

今年の干支である巳とその信仰

 「しかし、蛇が悪巧みによってエバを欺いたように、万一にもあなたがたの思いが汚されて、キリストに対する真実と貞潔を失うことがあってはと、私は心配しています」(コリント第二11:3)。

 2013年1月7日の朝日新聞に「ヘビ信仰の源を探る」という記事がありました。今年の干支は巳、即ちヘビです。8日にも「巳年の蛇 日本人はどう見てきたか」「脱皮する姿再生のイメージ」という題の記事がありました。さらに安倍首相も「一皮むけたという気持ちで安定政権をつくりたい」との抱負を述べていました。
 そこで改めてキリスト教信徒の考える蛇とは全く異なる日本人の「ヘビ信仰」というものを考えてみました。

 まず「干支」ですが、これは中国古代の占星術に由来するそうで、最初太陽に十個の名前が付けられ、十干として始まり、次に天を十二に分けて区切り、十二支となったそうです。その十二支に動物を充てたのが、日本で一般的な「えと」になるそうです。
左図は東京井の頭の宇賀神像塔です。この像は上部に人間の顔をつけた蛇がとぐろをまいています。朝日記事によりますと、「宇賀神」とは、まさにこのおじいさんの顔をして、身体をとぐろで巻いたヘビという「人間」とヘビの一体化したものを指すそうです。それを人々は宇賀「神」に祭り上げたようです。これが井の頭の弁財天とゆかりがあり、弁財天は水をつかさどる、音楽などの芸能の神だそうです(インドのヒンドゥー教に由来)。その結びつきが日本独特の「神仏習合」と呼ばれています。日本では「農業の神」に変身しました。ちなみにヘビはこの弁財天の「使い」だそうです。
 私たちは「蛇蝎の如く」という言葉を使い、ヘビやサソリを「ひどく忌み嫌われる動物」と考えています。両者共種類によって「猛毒」があり、人を殺す事が出来る恐ろしい動物だからです。
 それがなぜヘビ信仰になるのでしょうか?朝日記事に共通するのは、ヘビの脱皮を繰り返す姿が再生の象徴とされ、金運をもたらすという言い伝えもあるからだそうです。だから安倍首相もそのイメージで政権に臨もうとしているのでしょう?

 しかしそうした信仰は現実のものとなり得るでしょうか?自力で脱皮するヘビのように、自力で経済を再生し、TPP(環太平洋経済連携協定)で潤うと思っているのでしょうか?原発で広範に汚染された福島の地を自力で復興させる事が出来るとでも言うのでしょうか?ノーです!一皮剥けた後に出て来たのは、相変わらずの古い醜悪な自民党の姿です。原発事故の4基共、対処するのは人間として限界を越えており、その醜い光景はずっと続くでしょう。難民もさらに増加し、福利厚生は大幅に後退してゆく勢いです。またTPP参加でモノが安く手に入り、庶民に恩恵がもたらされるという事は到底不可能です。その名称自体換骨奪胎され、今や大不況と失業率の高さに悩む米国の、剥き出しの政策と変わりつつあるではありませんか。脱皮で垣間見えるのは、日本の失業率のさらなる増加と貧困の拡大、その果てに到来する日本経済の壊滅的な状況ではないですか。
 そうした事を少しでも考えれば、このヘビはサタン(=悪魔。この世をつかさどる目に見えない神)の化身であって(*人間堕落の前にサタンが堕落し、エデンの園に入り込み、エバを誘惑しました)、今日の私たち信徒は、ヘビを見ればその背後にサタンを見、その罪への誘惑を想起します。欧米文化ではそのようにヘビを捉えていますから、日本の宗教と根本的に異なります。
 ただ干支の中でも「蛇は最も直接描くことを避けた」ので、代わりに不忍池とか江の島の光景(共通点が弁財天)だった事に、朝日の記者は言及しています。