ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

セリアック病

  「彼の食べた物は、彼の腹の中で変わり、彼の中でコブラの毒となる」(ヨブ20:14)。
 悪を自分の中に取り込むと、毒蛇の毒のように、その者の存在を危うくする譬えです。

 2012年12月3日に東京で高校時代の友人たちとの有志会を持ちました。その中に東京農大の教授として長らく栄養生化学を教えて、近頃退官したH君がいます。いつも喧々諤々の論議をするのですが、その日H君が一枚の紙を皆に配ってくれました。
 そこに書かれていたのは「セリアック病またはシリアック病(Coeliac disease、Celiac diseaseとも綴る)について」というものでした。全く聞いた事のない病気の名前でした。
 その内容を見ながら、H君から説明を聞いて、非常にびっくりしました。そこにはこうありました。
 「小麦や大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質の一種であるグルテンに対する免疫反応が引き金になって起こる自己免疫疾患過敏性腸症候群、鉄欠乏性貧血、クローン病、憩室炎症、慢性疲労症候群と似ている」とありました。
 そしてその病変が良くわかる小腸表面の顕微鏡写真が正常なものと比較され、カラーで載っていました。素人にも明らかにその変質がよく分かります。画像はウイキペディアより。小腸絨毛に取り込まれたグルテン分子が免疫細胞の攻撃を受けて、炎症を起こし、ひどくなるとこの小腸表面が破壊され、栄養吸収が不可能となり、栄養失調になります。

 H君の説明では、欧米ではその症状が出ている人々が多くて、盛んに研究されているけれど、日本では顕在化しておらず、これから増加の一途を辿るという事でした。しかもそれは子ども特有のアレルギーとも異なり、私たち大人でも起こり得る病気である事、一度かかった患者のほとんどは、グルテンを含まない食品を摂る事で症状悪化を防ぎ、小腸の機能を回復する事が出来るけれど、現時点で完治させる方法が無い為、一生グルテンを含まない食べ物の生活を続けなければならないという、非常に厄介なものでした(*60代以上でほぼ4分の1。40〜50代で診断されます)。
 それをネットで調べて見ると、例えば最近のナショナルジオグラフィックサイト(日本語版http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20121225001&expand#title)では、1980年代から米国で患者数が倍増していると記しています。
 そもそもグルテンは小麦粉に含まれる粘りのあるタンパク質です(85パーセントを占める)。粘りはグルチニン及びグリアジンという2種のタンパク質が、生地を捏ねる事で生じます。これが発酵で生じた炭酸ガスを封じ込め、生地が膨らむのです。粉にしたものが市販されています。右画像はネットから借用。その過程を示すもの。

 グルテンを含む食品は、パン、缶詰の肉、プロセスチーズ、ナッツ、クッキー、スイートポテト、パイ、、ドーナツなど広く存在します。起こる症状は腹部膨満感と痛み、慢性の下痢、 悪臭を放つ便、貧血、骨粗しょう症等広範囲に渡っています。それらを少量なら大丈夫と甘く見る人がいますが駄目です。自己が自己を攻撃する自己免疫疾患は、免疫細胞が即座に攻撃してくるからです。
 昔の人はグルテンを含まないか、ごく少量含む食品を食べており、それほど目立っていませんでしたが、現代のパン屋、菓子工房など、売れる為には何でも見栄え良くしようとして、グルテンを盛んに添加しています。
 赤ん坊から大人まで誰でも起こる可能性ある病気ですから、もうこの辺で舌触りを良くとか贅沢な考え方を改め、伝統的な日本のコメ、和菓子などに切り替えませんか?私は上記クローン病まがいの症状で手術をしました。受ける前の症状はとても辛かったです。