ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

グアテマラのバイオ燃料問題

 「また言われた。「安息日は人間のために設けられたのです。人間が安息日のために造られたのではありません」(マルコ2:27)。
 2013年1月5日のニューヨークタイムズ誌サイトに、「バイオ燃料の需要が増大するにつれて、グアテマラはますます食料不足で苦しむ」といった題の記事がありました。エリサベス・ローゼンタールという人がルポしています。

 グアテマラの主食はトルティーヤといって、トウモロコシの粉で作った生地を焼いたものを使用するそうですが、それを売っている小さな店で、人々がトウモロコシの価格急騰について不平を鳴らしています。ちょうど3年前1ケツァル(グアテマラの通貨単位でおよそ15セントに相当)で8つのトルティーヤが買えたのに、今はその半分の4つしか買えなくなったからです。また鶏がそのトウモロコシを食べるので、卵の価格も3倍になりました。

 一方都市を離れた地域では、農夫がとうもろこしの種を蒔く場所の確保に懸命になっています。アルバラド氏がかつて賃借していた土地は、今やサトウキビ(エタノール製造に不可欠な糖分を多く含む為)で覆われています。それは石油に代わるバイオ燃料として、欧州に輸出されます。その為土地を追われたアルバラド一家は、サトウキビを満載したトラックの行き交う国道の縁にあるちっぽけな土地を確保して、トウモロコシの栽培を続けなければならなくなりました。貧しいので子どもたちは栄養失調状態です。
 最近米国と欧州はバイオ燃料の車での使用を義務付けるようになりました。それが大きな波紋を投げかけています。つまり人間の為の食糧の栽培が、もっと収益の高い車の為の燃料となる食糧を、大量に作り出す為に転換されているからです。この為車を使用しないほとんどの家庭は土地を追われ、トウモロコシを栽培出来ず、飢えるようになりました。その子供たちの栄養失調ぶり(50パーセント)は、世界でも4番目に比率が高くなっています。豊かな土地でトウモロコシ自給体制が出来ていたグアテマラは、今は米国からそのトウモロコシを輸入する羽目になってしまいました。米国ではそのトウモロコシを、食糧の為とバイオ燃料の為に盛んに栽培をしています。
 グアテマラ最大の製糖工場パンタレオン・シュガー・ホールディングスは、勿論米国と深い関係がありますが、近年バイオ燃料の需要増大で、30パーセント以上の利益を挙げているようです。この企業が零細農家の人々から土地を収奪しています。
 人々が最低限の生活に追い込まれている状況、決して対岸の火災視出来ないでしょう。TPPにおいて、米国の主要な標的は日本にありますから、その協定締結で、米国のグローバル企業が情け容赦もなく日本に入り込み、グアテマラ同様多くの人々がますます貧困化する事になるかも知れません。