ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

福島災害の大惨事は決して終わる事がない

 「私たちは、見えるものにではなく、見えないものにこそ目を留めます。見えるものは一時的であり、見えないものはいつまでも続くからです」(コリント第二4:18)。
 目に見えないものでも、放射能負の遺産でいつまでも続きます。

 2013年3月10日、医師のヘレン・カルディコット博士は、2年前の3月11日に起きた核災害について、上記の題で小論をシドニー・モーニング・ヘラルドサイト(http://www.smh.com.au/comment/ravages-of-fukushima-disaster-will-never-end-20130310-2ftwl.html)に寄せていました。しかしそれに対する31のコメントはかなり厳しい批判の連続でした。

 そこであえて粗訳を試みてみました。
 SMHの書き出し:「福島核災害から2年、医師であるヘレン・カルディコット氏は健康との関係が今やっと姿を見せ始めていると言っています」。
 本文:アスベストやタバコと同じく、私たちは核放射線が長期にわたる静かな殺し屋(それと分かる症状が現れないまま進行し、致命的な合併症を誘発する病気のこと。高血圧・脂質異常症・卵巣癌など。大辞泉より)である事を知っています。
 何年にもわたり、アスベストとタバコの産業は巨額の資金を費やし、その製品の健康に与える影響について、真実を否定して来ました。結局その嘘は暴露されました。今核産業は同じ事を試みようとしています。
 月曜は日本の福島核災害以来2年経過した事を示しています。
 アスベストとタバコの産業の初期と同じように、災害以後信憑性の疑わしい研究がたくさん出て来ましたが、それは日本における健康への影響がごく僅かであるゆえに、ほとんど心配には及ばないという事を示していました。地震津波の被害を受けた地域が、かなり廃虚の町になってしまったという事実があるにも関わらずです。立入禁止区域に留まっている人々にとって、滞留の医学的・環境論的結果が深刻である事は、今や明白になっています。
 炉のメルトダウンで、そして放射能の大気及び海洋への大量放出で生じた、かく乱による人間、動物、植物への中長期的な影響を示す科学的証拠が増大しています。
 それには福島の立入禁止区域で観察される鳥、昆虫、植物の突然変異や異常などが含まれています。それは1986年のチェルノブイリ以後見つかったものと良く似ています。
 科学者たちは福島県に住んでいる子どもたちに、癌を含む甲状腺の異常で前例のない増加がある事を実証しました。
 太平洋(海床と魚)、そして東京を含む広い危険と言ってよい区域の膨大で持続的な放射能汚染、また福島とそれを越えたところで収穫された食物の汚染が進行中です。
 本当は福島事件が地球全体にわたる住民の健康問題であり、それにより引き起こされるであろう結果は、オーストラリアを含む全ての国々が考慮しなければなりません。結局6つの原子炉のうち少なくも5つに火をつけたのはウランでした。
 実は福島事件が終わっておらず、決して終わる事がないという事です。放射性降下物は数十万年もの間有毒のまま残り、日本の広い領域を覆っています。それは決して「除去」される事はありません。それは食料、人間、動物をとこしえに汚染し続けます。東電の主張にも関わらず、全てメルトダウンした3つの原子炉はほぼ確実に分解されず、廃炉になる事もありません。引き続き放出する莫大な量の放射能の為です。
 さらにもし最初の地震でひどい損傷を受けた4号機が倒壊したら、その屋根の上にある、100トンもの極めて放射性の高い廃棄物を含んだ大きな冷却水槽が地上に落ちて、その冷却水を失うでしょう。放射性のあるロッドは自然に燃えて、さらに膨大な量の放射能を放出するでしょう。この建屋は修理に2年もかかると想定されています。
 私たちの感覚、即ち味覚、嗅覚、聴覚、視覚は放射能に対する生医学的影響を見抜く事が出来ない、という事を理解しておく事が大切です。しかし私たちはこの事件からの放射性廃棄物が生物圏に放出されており、次にそれが人間、動物、植物に吸収される事を知っています。
 さらにそれは内部放射体として知られているものになり、それが特別な器官に進んで行きます。放射性ヨウ素甲状腺へ、セシウムは筋肉、心臓、内分泌器官へ、ストロンチウム90は骨や歯に、最も毒性の高いプルトニウムは、骨、肝臓、肺、睾丸、そして胎児へと進んで行きます。
 その場所でそれらは何年もかけて周囲の細胞へ放射線を当て続け、細胞分割を制御する制御遺伝子の突然変異を引き起こします。そうした細胞の一つが、何年も後に抑制出来ずに分割し始め、全身に広がり得る癌を生み出します。
 それこそ福島以後、長期にわたる癌の発生率がほぼ確実にかなり高くなる理由です。しかし現在の時点では、事例の数は小さいです。言い換えると、こうした癌はアスベストに曝された後の中皮腫のように、数年もかけて発達して行くのです。
 地球全体にわたる人々の健康の為に、私たちが福島に対する科学的精査の光を当てる事が不可欠です。ちょうどチェルノブイリスリーマイル島でそうしたようにです。
 *後記:カルディコット博士が論考を出したサイト(オーストラリア)では、博士が急進派であるとか、曖昧で人騒がせであるとか、散々な悪口が見られます。なお博士についてはブログ仲間の方々の情報から知りました。