ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

米国によるシリアの介入

 「わたしの民のひとりで、あなたのところにいる貧しい者に金を貸すのなら、彼に対して金貸しのようであってはならない。彼から利息を取ってはならない」(出エジプト22:25)。
 2013年2月28日のニューヨーク・タイムズサイトでは、「米国はシリアの反体制派(自由シリア軍)に6千万ドル支出を約束した」といった題で記事が書かれていました。
 国務長官になったばかりのジョン・ケリーがそれをローマで発表しました。そこでケリーは反体制派の人々と会見し、反体制派の支配している地域で、食糧や医薬品の供与の為に用いられる事を意図していると述べました。
 また米国はその地域の基地での反乱軍の為の訓練活動が、シリア紛争の米国関与としては、これまでのうちで最も規模の大きなものとなる事を示しました。米国政府の主要な目標の一つは、一般市民への従来の政府事業提供により、反対派がシリアで信頼性を築くのを助ける事です。この戦いは2年前に勃発しましたが、米国はシリアの人々に対する「人道的援助」で3億6千5百万ドルを送って来ました。

 米当局はアサド政権に対する抵抗組織として過激派、即ち特にアル・ナスラ戦線が勢力を増している事について、ますます心配するようになりました。なぜならそれは有名なアル・カイダと提携していると主張されているからです。アル・ナスラはシリアの一部を支配し、公共サ―ビスを提供し、その権力を強固にしようとしています。それはレバノンシーア派イスラム主義の政治組織、武装組織であるヒズボラが、レバノンで行っているのと良く似ています。
 オバマ政権は静観し、死の兵器供与は見送り、上記の物品だけでなく、通信機器、 暗視装置、車両、通信機器などに限定しています。「死を引き起こす事のない」援助という事で、初めての試みだそうです。
 とにかく米国は過激派の力を鈍らせたいので、アサドに反対する勢力としての「反体制派評議会」への援助を望んでいます。アサド政権に対して、反体制派が最終的に優勢となるというメッセージを送り付け、政治的移行への交渉を活発化させるという狙いがあります。ケリーはアサドについて「『武力で決着させる事は出来ない』という点を知る必要がある」と言っています。
 でも米国政府が援助を拡大するようになれば、どうなるか分かりません。武器供与もあり得るようです。オバマはそうしたCIAや国防省の提案を必死に抑えていますが。尤も6千万ドルを送れば、反体制派がその分武器を購入出来るので、間接的には武器供与ともなり得ます。同様な援助は英国やフランスも画策しています。*なおこの下書きを書いた後、3月15日の新聞報道では、フランスは正式にシリア反体制派に武器を輸出する事を決め、英国も同調しているそうです。
 当初シリアの反政府派の指導者モアズ・アル・カティブは、ケリーの呼びかけに逡巡していたようですが、結局圧力に屈したようです。近くローマで開かれる国際会議に出席する予定になっています。
 これもシリア国内政情不安に乗じた米国の「ショック・ドクトリン」に他なりません。将来は必ず6千万ドルの見返りを求め、シリアに乗り込んで行くと思います。