ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

福島を忘れない

 「しかし、彼らはすぐに、みわざを忘れ、そのさとしを待ち望まなかった」(詩106:13)

 2013年3月28日、作家の高橋源一郎氏は、朝日の論壇で「あれから2年 忘れさせる『力』に逆らう」という題で、注目すべき新書や雑誌の紹介をしていました。世界4月号で原発作業員の座談会の内容が載っています。或る作業員は「もう震災や原発事故は過去のことだと思っているのでしょうか」と述懐しています。
 最後に高橋氏は或る単行本の著者の名前を引きながら、「過去を忘れ、責任や問題から目を逸らし、楽観的に『未来』を語ろうとする『大きな力』に立ち向かっているように、ぼくには思えた」と述べて、この欄を閉じています。

 4月2日の朝日夕刊で池澤夏樹氏は、3・11から2年が経た事を、「三回忌の後で」というエッセイで表現しています。その中で池澤氏は「政治家はみな先天性の健忘症だ。彼らには今しかない。近未来の明るい絵を描いていれば国民はついて来ると信じている」と言っています。福島原発はもう取り壊しようもないモニュメントとなってしまい、解体のしようがなく、長く残るというのに。そこを「負の永久モニュメントに」という声は高いですが、線量があまりに高過ぎ、人の手を加える事は不可能でしょう。
 4月4日の耕論欄では南相馬市の主婦高沢美春さんが、消え入りそうな声で呟いています。或る友人から聞いた話として「震災って2年も前の話ですよね」「もう終わったことでしょう」と言われたそうです。勿論その友人は「ショックを受けていました」。そして「被災地とかかわりのない、普通の人がぼそっと言った言葉こそ、世の中の真実を表していると思う」と述べています。そして改めて「忘れられないように動かないと、と思います」と決意を新たに、線量の多い地域(私の友人の住む鹿島区の高台で0.5〜1マイクロシーベルトはあるそうです)で、あえて子どもと一緒にそこに住む事を決めています。
 その忘却の大合唱の中、忘れまいと抗い、月1回のペースの国会周辺デモに行って来ました。たぶんspyboyさんとはどこかで出会っているかも。

 いつもの総理官邸前、首都圏反原発連合のドラムとマイクのある場所へ直行。本日の最初のアピールは、社民党の福島党首でした。3日の記者会見で、28日に予定されている「主権回復の日」式典に、党として出席しない事を表明しました。この人の姿勢は好きだけど、衆参合わせて6名とは少ないです。3人目に原子力資料情報室の田中さんが登場、田中優さんの事かな。

 7時を回ると、段々と人数が増え、自転車でデモしている若い人々の数も多くなっているように思われました。2時間近く立ちっ放しで「原発反対!」「再稼働反対!」と叫んでいると、かなり重症の足の静脈瘤が痛んで来ますが、目の前を通る官庁勤めの人々の仏頂面を見ていると、つい声を張り上げてしまいます。
 脱原発テントの撤去反対の幟も見えましたが、この2時間ではそのアピールはありませんでした。経済産業省はその敷地使用料として1,100万円を請求したそうですが、安倍政権による運動圧殺の第一歩かも知れません。
 とにかく忘れない事、この決意をデモの現場で新たにしたのでした。