ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

分子シュレッダー

 「あなたはすばる座の鎖を結びつけることができるか。オリオン座の綱を解くことができるか」(ヨブ38:31) 
 2013年3月25日の創造研究所サイトでは、「複雑な細胞の『分子シュレッダー』が明らかにされた」という題で、論文紹介がありました。
 元の論文はネイチャー誌サイトで、勿論有料ですから要約だけに止めています。
 それを創造研究所のジェフリー・トムキンス博士が解説しています。
 細胞の遺伝子にスイッチが入ると、メッセンジャーRNA(mRNA)が作り出され、それがタンパク質を作る鋳型として使われます。しかしmRNAがもはや過剰になったとか、その中に間違いがあった時は、どんな事が起こるでしょうか?もし細胞に残っていても活性化されず、深刻な問題が生じるかも知れません。
 その問題に対する細胞の解決策としての良い譬えは、文書細断機(シュレッダー)です。必要なくなったけれど、個人情報が書かれていて慎重に扱うべき文書があった場合、それを使って効果的に取り除きますから、もうその情報が悪い人の手に渡る事はありません。
 細胞でも同じような、しかしもっと複雑な機械の存在が確認されました。
 mRNAが細胞で必要なくなると、複雑な分子機械である「エキソソーム」というものが、それらを細かく刻み、再利用できる必要最小限な分子にします。

 不必要となったmRNAは標的にされ、別の特殊なRNAが付加します。mRNAが最初に形成された時は一本鎖ですが、破壊の為の付加を受けると二本鎖になります。この二本鎖RNAがエキソソームに認識され、切り刻みが始まります。
 このエキソソームですが、図のように様々なRNAを分解する多タンパク複合体となっています。真核生物では6個の異なるタンパク質のユニット(単位)からなる環状のものの上に、3個の異なるタンパク質が乗っています(中空の樽)。さらに2個のユニットが付随することがあります。図は10番目まで。9個のエキソソームによって糸状になったmRNAを10番目のユニット(Rrp44)が切り刻むという事だそうです。下の図はその結晶構造を示したものです。

 この図の黒い部分が認識され、黄色、ベージュ、オレンジ色のタンパク質により鎖を解かれ、図の灰色の樽の中で糸状になり、それが紫色のタンパク質の標的にされて、シュレッダー機能が作動します。
 こんな複雑で精巧な仕組み、ランダムな過程から生まれる筈はなく、デザイナーである神のみわざと言う他ありません。

 右画像はコクヨのシュレッダーですが、自動的に生まれ、裁断するのではありません。ちゃんと設計者、製造者がいて、それが出来上がるのです。