ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

米国銃規制強化法案上院否決

 「悪者どもは剣を抜き、弓を張った。悩む者、貧しい者を打ち倒し、行いの正しい者を切り殺すために」(詩37:14)。
 2013年4月18日のハフポストサイトに、ベンジャミン・バーバーという人が「銃規制を望むなら、民主主義を回復させよ」といった題で、ブログを記していました。翌日の日本の新聞でも報じられていましたが、これは米国の民主主義の根幹に関わる問題であり、またその米国に追従する日本の状況にも似ています。左下画像はブルームバーグサイトより借用。

 オバマ大統領が銃規制に意欲を示したのは、昨年12月にコネティカット州で、容疑者が小学校に侵入し、銃を乱射して子ども20人、大人6人を殺害した事件がきっかけです。既にこの州では今年4月4日銃規制強化法案が成立しています。
 しかるにオバマ大統領が米連邦議会に提出した銃規制法案(毎日サイトによると、当初大統領は殺傷能力の高い銃器の販売を禁止する法案を検討していたそうですが、とても通らないという事で、「全ての銃購入者に対する犯罪・精神疾患歴の確認義務化」を骨子とする法案に修正しています)が、全米の9割が支持していたにもかかわらず、上院で否決されてしまいました。
 すなわち17日提出された法案は、上院(定数100名)で賛成54名、反対46名で、可決に必要な賛成60名に達しなかったので、否決されました。これには民主党の議員の一部も反対に回りました。ちなみに上院で民主党は55名(多数政党)、共和党は45名(少数政党)を占めています。

 考えても見て下さい。上院の多数派を占める民主党の出した法案、それも穏当な線で出した法案が否決されたのです。もし多数決原理が採択されていれば、多数派がそれを通す事が出来たのですから。これは上院規則を無視する少数派の新手な、しかも危険な暴政です。民主主義自体への深い冷笑を作り出しています。人口の三分の一以下を代表する上院議員40名が三分の二を代表する者たちの支持する法を投票で否決する事が出来るという事、実質的な過半数が変化を支持しているにもかかわらず、おおよそ政府の機能が麻痺させられている事、それが今日ごく普通に議会で行なわれているのです。
 オバマ大統領は「ワシントンにとって恥ずべき日だ」「いったい誰の代表として議会にいるのか」と、声を上げて表明しました。(http://www.huffingtonpost.com/2013/04/17/obama-gun-policy_n_3105547.html

 これはもう驚く上院議員たちを叱リ、全米ライフル協会(政治献金や広告キャンペーンを通じて銃規制に反対し、一般人による銃の所持を規制しないように働きかけているm全米400万人から成る圧力団体)のような富裕なロビイストに説教をするのを止め、民主主義をしっかり定着させる時なのだ、とバーバー氏は訴えています。暴走する議事進行妨害者たちから始めなければなりません。そうでないと公共の利益は妨げられ、米国の多数派は挫折させられ、市民権は取り消されてしまいます。民主主義がうまく働いていれば、銃規制法は通過します。それはとても単純な事です。
 なお4月3日のワシントンポストでは、武器貿易条約(通常兵器の国際取引を規制する条約)が国連の決議で採択されたにもかかわらず、米国では連邦議会上院(100人)の3分の2(67人)の賛成が必要で、批准できる見通しは立っていない事を報じていました。最大の原因は、全米ライフル協会(NRA)と共和党上院議員のせいです。