ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

研修中の医者たちは、病室でほとんど患者を見ない

 「しかし、あなたがたは偽りをでっちあげる者、あなたがたはみな、能なしの医者だ」(ヨブ13:4)。
 2013年4月24日のサイエンスデイリサイトでは、上記の題で研究結果がありました。調べたのはジョンズ・ホプキンズ大学と附属病院の研究者たちです。

 お借りした左図のサイトでは、日本から研究留学している方(右端)の報告がありましたが、附属病院は優れた実績で常に全米トップとなっているそうです。
 医者になる為には米国と日本で違いがあります。米国の場合4年制の大学を終了して学士号を得た後、全国共通の医科大学入学試験を受けて合格すると、メディカルスクール(医科大学院)に入ります。そこでは4年間の医学専門の訓練を受けますが、はじめの2年間は基礎、後の2年間は臨床となります。大学から数えて8年後に医学博士号をもらえます。しかしそれで終わりではなく、さらに卒業した者は、研修病院での臨床研修を行なう事が義務付けられていますが、その最初の1年をインターンシップと呼ぶそうです。さらに各科毎に3年以上の研修が行われますが、それをレジデンシーと呼びます。そこまでで「一般内科医」「一般外科医」としての活動が出来るようになります。さらにフェローシップという専門医研修があって、それを終えると専門医になれます。
 ところで上記サイトによりますと、患者の検査をしたり、患者と話をしたりして過ごすインターン生は、その持てる時間の僅か12パーセントだけであり、他の40パーセント以上はコンピューターの傍に座って過ごしているそうです。
 それを憂慮したのは、この研究に加わったローレン・ブロック医学博士です。博士は「この研修で最も大切な学びの機会の一つは、患者たちとの直接の交流です」と述べた上で、「1日平均8分を各患者と過ごすだけでは、全く十分とは言えない」と嘆いています。
 さらにもう一人の研究者であるレオナード・フェルドマン博士も、「医者になった私たちの大半は、患者との時間を過ごしたいと願ったからです」「現行医療体制では、それを医学訓練から締め出しています」と言っていました。
 この研究の為に観察者たちは、29人の内科インターン生の後に続き、3週間の間合計873時間、iPod Touchを用いて、毎分ごとに彼らの記録をとりました。
 その結果上記した通り、彼らは持てる時間の12パーセントを患者との話と検査で費やし、64パーセントは間接的なやり方で接触、専ら患者病歴を調べたり、電子ペーパー記入の仕事ばかりしており、15パーセントはただ巡回だけ、9パーセントは雑多な活動をしていたそうです。
 フェルドマン博士は「12パーセントというのはあまりに低過ぎます。彼らは患者と過ごすより、カルテの検討に4倍以上も費やしています」と慨嘆しています。
 ブロック博士は「研修制度が変わっているので、患者と医者との関係を保つ方法を見つけてゆく必要があります。患者をもっとよく知るようになれば、診断とケアを改善し、医療ミスを減らす事が出来るのですが」と言っています。
 では患者の側ではこのインターン生をどう見ていたでしょうか?入院中の患者の僅か10パーセントだけが、自分の研修医が誰なのか知っていただけでした。
 さてTPP論議の中で自由診療制度が本格的に導入されると、日本の貧乏な患者はロクに医者から診てもらえず切り捨てられます。
 こんな日米の異常な事態、イエス・キリストなら「能無しの医者」と非難されるでしょう。