ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

中村仁一氏の周到な死の準備

 「それが今、私たちの救い主キリスト・イエスの現れによって明らかにされたのです。キリストは死を滅ぼし、福音によって、いのちと不滅を明らかに示されました。」(テモテ第二1:10)。

 中村仁一医師の名を知ったのは、iireiさんのブログ(http://d.hatena.ne.jp/iirei/20121220)からです。当時そこで紹介されていた中村仁一著『大往生したけりゃ医療とかかわるな』は、図書館の予約が殺到して読めませんでしたが、半年もしないうちに借りる事が出来ました。先に故岡部健医師の事を紹介しましたが、iireiさんが言われるように、このお二人には「死」に対する良く似た思想があります。病院でいわゆるスパゲッティ症候群による苦痛の死ではなく、在宅での「自然死」の勧めという事になるでしょうか。
 この本の勘所はiireiさんのブログに詳しいので、私としてはそこに出ていなくて、役に立ちそうな所を考えて見ました。
 私は在宅での母親のケアをずっとやって来て、かかりつけ医もいましたが、死が迫って来ていた事は気がつきませんでした。その3か月前も、クリスマス会という事でデイケア施設に一緒に行っていた位です。多少幻覚症状があったものの、寝起きとか車椅子などでの動きは正常でした。
 痛恨の極みは、中村医師が何度も言われるように、死が近づくと必ず食欲が落ちて来るのに、その兆候を逃してしまった事です。朝昼の食事は軽いので、何とか食べていましたが、夕食の時、「隣に人が来ているから、その人にあげて」と言って拒んでしまいました。私はとにかく食べなければ、やせ細って死んでしまうと、必死の思いで口から食べ物を押し込んでいました。結局異変に気づいて入院した時は既に腸閉塞、さらに検査で腎嚢胞による腎不全状態と、左心室の肥大と不整脈、それによる肺の圧迫で胸水が一杯溜まり抜けなかった事が分かりました。主治医は今すぐ死んでもおかしくないと言い、私は頭が真白くなったのを覚えています。
 在宅に戻してもらい、点滴管理、酸素吸入、痰の吸引、ネブライザーと、何でもやりましたが、2週間ほどで亡くなりました。
 しかし最期に顔と顔を突き合わせた時、少なくも「痛み」は感じられませんでした。
 その後思ったのですが、中心静脈からの点滴はどうもあまり意味がなかったのではないかという事です。中村医師の持論です。死に時が来たから食べられないのに、点滴で膨らませて苦痛を延ばし延命措置をとるのに、一体どんな意味があるのでしょうか?
 今長寿の為に「天寿がん」が見つかったとしたら、それこそ攻撃的治療、延命的治療は一切行わない事が肝要です。私たちが恐れる苦痛も、老衰死寸前には概して襲って来ないそうですから、麻薬はほとんど無用です。
 そうした経験を踏まえ、中村医師は「あなたもお棺に入って、人生の軌道修正をしてみませんか」と勧めています。
 エンディングノートの模範を披露しながら、死に装束を決め、骨壺を用意します(土に帰るバイオ骨壺もあります)。さらに組み立て式段ボール製の棺桶「エコクラフィン」もありました。上掲の画像は中村医師が実際この棺桶に入って試してみたものです。これだと釘や留め金が不必要で、「環境にやさしい」製品です。*ただ私の教会員の話では、現在エコクラフィンは強度の問題があって、中村医師の使われたものは販売されていないそうです。彼はウイルライフ株式会社のエコフィンを勧めています(https://www.facebook.com/WiLLiFE/info)。

 事前にそうしたものを用意しておけば、いざという時高い葬儀料を払わずに済みそうです。それにこれからは地球にやさしいエコ葬儀の時代になってゆく筈です。
 以上iireiさんが書かれなかったところを拾ってみました。予行演習を通し、一日一日を生きる大切さが良く分かるのではないかと確信します。