ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

安倍晋三氏の危ない動き

 「こうして、彼の心が高ぶり、彼の霊が強くなり、高慢にふるまったので、彼はその王座から退けられ、栄光を奪われました」(ダニエル5:20)。
 2013年1月2日のニューヨーク・タイムズの社説に、安倍首相に対する「日本の歴史を否定しようとするもう一つの試み」という題のものが載っていました。普通の記事ではなく「社説」で、しかも今年初めに取り上げた事に、大きな警告の意義があった事は、その後の安倍氏の動向やそれに対するマスコミの記事などで明らかになりました。短いので一応粗訳してみました。

 「日本と韓国の間のように、アジアの安定にとって重要な関係はそう多くはない。しかし日本の新首相安倍晋三は、韓国との緊張を刺激し協力関係を難しくする深刻な過ちをもって、その任期を始めようとしているようだ。彼は第二次世界大戦に対する日本の謝罪修正の模索を示唆しているが、それには性的奴隷としての韓国人や他の人々の酷使も含まれている。1993年日本は軍隊がその売春宿にて、数千のアジアやヨーロッパの女性たちを強姦し奴隷化していた事を遂に認め(*当時の河野洋平官房長官がいわゆる<河野談話>を発表して認めた)、初めてこうした残虐行為に対する完全な謝罪の気持ちを表明した。1995年村山富一首相によるさらに広い謝罪では、「軍隊の植民地支配と侵略を通して、日本がとてつもない損害と苦難を多くの国々にもたらした事、特にアジア諸国にもたらした事を認めた。右翼の国家主義安倍氏は月曜のロイター放送によると、産経新聞のインタヴューで、1995年の謝罪を特定しない、前向きの言明への置換を望むと言ったと伝えられている。彼は2006〜7年における政権の時は、日本の戦時の軍隊で性的奴隷として仕えた女性たちが、実際には強制されていたという証拠が見つからなかったと言った。けれども先週の記者会見で、内閣官房長官菅義偉は、安倍氏が1995年の謝罪を守るものの、1993年の言明を修正する事を示唆したと言った。自民党の指導者安倍氏がどうしてその謝罪を修正しようとするのかは明確ではない。しかし彼は以前に自国の戦時の歴史を書き直したいという願望を明らかにしていた。その犯罪を否定し謝罪内容を薄める試みは、韓国、中国、フィリピンを激怒させた。それら諸国は日本の野蛮な戦時統治支配の下で苦しんでいたのである。安倍氏の恥ずべき欲求は、北朝鮮核兵器計画のような、問題となっている地域での大切な協力関係を脅かす事になろう。そうした修正主義は、過去の誤りを隠す問題より、長期経済低迷改善に焦点を合わせている国にとっては厄介な事態であろう」。
 極めて厳しい論調でした(日本の大手マスコミとは違う)。そして事態は予想通り進展し、この従軍慰安婦問題から、領土問題、靖国神社参拝問題、プルトニウム核兵器転用問題、憲法改悪問題…へと発展させ、国内では原発被災地を無視したアベノミクスによるショック・ドクトリンの推進等々、参議院選までの自粛どころか、それらを選挙の争点にしようとしています。
 そのタカ派ぶりには同盟国である米国もさすがに黙っていません。有識者からかつて被害を受けた人に至るまで、危惧する意見がどんどん出て来ています。中国や韓国も同様です。
 まず4月20日以後閣僚が靖国参拝を実行、韓国や中国から激しい反発を買いました。そして23日上記村山談話は曖昧として実質骨抜きにしようとしたので、見かねた米国国務省は対話での解決を促しました。

 ところが翌24日安倍首相はそうした反発に鑑みて、ますます強硬な姿勢に転じて行きました。
 25日にはカーター政権の時の大統領補佐官タカ派だったブレジンスキー氏は、中国に対する極めて好戦的な発言は、問題解決の助けにならないと忠告しました。
 さらに4月27日コロンビア大学教授で日本通のジェラルド・カーティス氏も、特に改憲の一歩となる憲法96条について、トクビルの思想を表わした「多数者の横暴」を防ぐ為のものとして、警告を発しています。特に安倍氏の一連の歴史問題の発言に憂慮しています。

 そして最後に5月7日、歴史認識聞く耳を持たない、奢る安倍首相の事を、訪米した韓国大統領朴氏がオバマ大統領に直接直訴し、大統領による執り成しを要請したようです。米議会でさえ、一連の問題発言を危ぶんでいます。
 私たちもここに来て原発だけでなく、広くこれらの動きに対する反対の意思表示が必要になって来ました。