ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

モンサント最高裁で勝利

 「この世の取るに足りない者や見下されている者を、神は選ばれました。すなわち、有るものをない者のようにするため、無に等しいものを選ばれたのです」(コリント第一1:28)。
 2013年5月13日英国ガーディアンサイトによると、米国最高裁に訴えられていた一人の農夫が敗訴しました。
 その人の名はバーノン・バウマン氏75歳です。訴えた相手はあの巨大アグリビジネス(=農業に関連した産業)モンサントでした。

 左写真はバウマン氏です。ロイター通信より拝借。
 この訴訟については既に過去ログで記した事があり(http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/20130221/1361439565)、最高裁がどう判断するのか注目していました。モンサント側の訴えの内容はこうです。
 モンサント社は開発した遺伝子組み換え大豆作物(ラウンドアップレディー)の特許権取得により、それを購入する農家とは契約を結び、特許権が設定された種子を農家が栽培や収穫再販売をするのは認められているものの、特許権所有者の許可なく再生産するのは、特許法で認められていない、と主張していました。

 バウマン氏はこれまで毎年忠実にモンサント社と契約を結び、遺伝子組み換え大豆作物種子を購入していましたが、これは値段の高いものでした。そこでバウマン氏は、契約更新が経営事情で難しくなった時、他の「カントリーエレベータ」(日本の農業協同組合のようなもの) から購入した大豆を使って、大豆栽培を行ないましたが、たまたまそこにラウンドアップレディーが混入していました。バウマン氏はその事実を知ってはいたようですが、モンサント社の許可なく(つまりお金を払わず)これを使用し、新しい種子を作る事をしていました。それが特許法に抵触する事が正式に決まってしまいました。大豆の種子など自然に複製・発芽するものですが。
 それはいわば医薬業界の新薬が高く、後発のジェネリック医薬品が安いのと同じ事です。
 6年前バウマン氏が訴訟で負けた時、8万4千ドルの支払いが命じられた為、最高裁に控訴したわけですが、この額が確定しました。
 モンサント社は現在146件の米国農家に対して訴訟を起こしており、11の事例で勝訴しています。そしてバウマン氏を含む大豆農家推定275,000軒のうち、90パーセントが、ラウンドアップレディーを使用しています。またそれにはラウンドアップ除草剤が抱き合わせで使用されています。

 今回モンサント社が勝利したのは、米最高裁判事エレナ・ケーガンを含む判事全員の一致があったからです。ちなみにケーガン判事は、元モンサント社の顧問弁護士であるクラレンス・トーマスと関係が深く、モンサントの勝利は間違いないと噂されていました。
 ガーディアンサイトによると、モンサントを含む3社で大豆等種子の販売独占体制が確立しており、全世界で価格が高騰しています。1995年から2011年にかけて、大豆1エーカーを植え付けた場合、平均コストは325パーセントも上昇しました。
 こうしたモンサント社等の横暴に対して、米通商代表部は規制をかけるどころか、諸外国の政府が米国の農作物輸出に対して差別的又は不当な対策を続けており、安全で高品質な米国食品と農作物の入手可能性を世界中の消費者から奪うものだと非難しているようです(ネットの情報)。
 日本がTPPに参入すると、こうしたモンサントのような会社も日本に上陸し、金の力で大豆の零細農家を全て駆逐し、限りなく100パーセントに近い遺伝子組み換え大豆が出回る事になるでしょう。
 最近の研究でも遺伝子DNAに関してその総体の80パーセント以上が密接に関与している事が判明し、ますます遺伝子が神の御手によるものとの確信を抱いています。ですからそれを人間の手でいじると、どんな事が起こるか想像出来ます。神の審判は軽くありません。ガーディアンサイトでは、この裁判闘争を重装備の巨人ゴリヤテと、石投げ器だけで無防備の少年ダビデに譬えていました。聖書ではダビデが勝利しましたが、現代の巨人モンサントに勝てる国や小企業は出現する可能性が少ないでしょう。危機的状況です。