ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

明るい雲と冷たい気候

 「神は水を濃い雲の中に包まれるが、その下の雲は裂けない」(ヨブ26:8)。
 2013年5月5日のサイエンスデイリサイトに、上記の題で論文の紹介がありました。英国マンチェスター大学のゴードン・マクフィガン教授らによる研究成果です。

 雲は「大気中に浮かぶ微小な水滴または氷晶の集団…大気中の水蒸気が凝結核(*水蒸気の凝結の中心となる吸湿性の微粒子。雲粒や霧粒の凝結核として重要なのは、工場などからでる燃焼生成物や海水のしぶきが乾燥して出来た食塩の微粒子など)上に直径3〜10μm程度の水滴として凝結したもの」(理化学辞典)とあります。
 そのように小さな種粒子は自然のもの(塵や海水のしぶき)と、人間の作った汚染物質(車の排気ガスや工場から吐き出されるもの)があります。そうした粒子はしばしば大量の有機物質を含んでいますが、そのような化合物はかなりの揮発性物質です。ですから暖かい状態では、水蒸気として存在しています。ちょうど香水が液体であるのに、温かい皮膚で蒸発すると、芳香を発するのと同じです。
 研究者たちはその効果が大気中では逆に働く事を発見しました。有機物質は乾燥した暖かい状態では、例えば森の松の匂いのような、特徴的な匂いを放出するのに、湿った比較的冷たい状態ですと(雲が生じます)、その分子は液体になりやすく、大きな粒子を作ります。それらが雲の水滴として最も効果のある種(結晶)となります。
 ゴードン・マクフィガン教授は、「こうした森の放出物や車の排気ガスから作られた有機化合物が、雲の水滴の数に影響を与え、その明るさに影響を与え、遂には気候に影響を与えている事を発見した」と言っています。「雲の水滴が多ければ多いほど、さらに明るい(輝く)雲となり、入って来る太陽光をもっと多く反射させています」。「私たちはそれが気候に与える影響を計算したところ、雲の種(水滴の核になる物質)が増大した効力の全地球的気候への冷却効果は、少なくも雲の汚染効果では以前全く不明瞭だと分かったのと同じ位重大な事です」。
 自然の放出物と人間が作り出した汚染物質が相働き、雲をさらに明るくする事で、地球の気候に対して思いがけない冷却効果を発揮し得る事を、研究者たちは突き止めたのでした。
 私たちも雲の暗さを見て、明日の気候を予想するだけでなく、そのすばらしい明るさ(輝き)や湿度・乾燥状態などを総合して考え、明日は冷えるかどうか予測してみたら、着るもののヒントになるかも知れません。