ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

保守的なコーク兄弟的を新聞に向ける

 「さらに、議官を買収して彼らに反対させ、この計画を打ちこわそうとした。このことはペルシヤの王クロスの時代からペルシヤの王ダリヨスの治世の時まで続いた」(エズラ4:5)。
 2013年5月21日の朝日新聞に、「政権奪還に新聞利用?米保守の富豪経営難8紙買収検討」という題の記事がありました。この記事の元は主としてニューヨーク・タイムズなので(http://www.nytimes.com/2013/04/21/business/media/koch-brothers-making-play-for-tribunes-newspapers.html?pagewanted=all&_r=0)早速そちらの記事を読みました。
 ここに登場する保守の富豪コーク兄弟とは、米巨大複合企業コーク・インダストリーズを経営するチャールズ・コーク氏(Koch77歳)と、デビッド・コーク氏(73歳)の事です。

 画像左が兄のチャールズ、右が弟のデビッド。二人はリバタリアン(=自由至上主義者)として知られ、二人合わせた資産(計7兆円)は、ビル・ゲーツとウォーレン・バフェットに次ぐ超富豪だそうです。
 当然二人は共和党支持者であり、2010年のいわゆる「茶会運動」(=反オバマを標榜する草の根運動の集まり)で、巨額の資金を提供していました。さらに彼らは「慈善家」としても知られ、2008年ニューヨークのリンカーン・センターにあるニューヨーク州シアターの改築に1億ドルを寄付しました。現在、同劇場はデビッド・コーク劇場という名称になっています。またアメリカ自然史博物館に2千万ドル寄付しています。
 これまで二人はマス・メディアへの投資は避けていましたが、今回初めて経営難に陥っているトリビューン社(ロサンゼルス・タイムズや、シカゴ・トリビューン紙など8紙がその傘下にあります)の買収を検討している事が分かりました。

 この意図はまさしく朝日の見出しにあるように、民主党から政権を奪取する手段の一つとして、メディアを選んだという事です。それは今から3年前に遡ります。兄弟はコロラド州セミナーを開き、3本の柱からなる10年間にわたる戦略を討議しました。そのうちの2つが草の根運動の活動家育成と、政治への影響力の行使でした。それはこれまでの路線とあまり変わりませんでしたが、第3の柱がメディアだったのです。米国を規制や税を少なくする小さな政府にする為でした。

 ですからもしトリビューン社が買収されると、コーク兄弟のレッセフェール(政府が企業や個人の経済活動に干渉せず市場の働きに任せる事)思想拡大の為の、大きな土台となってしまうでしょう。ロサンゼルス・タイムズは、朝日によるとリベラルな論調で知られ、1942年以来41のピュリツァー賞を受賞しています。リベラル派の人々が抗議のデモを行ったのは言うまでもありません。社員ももし買収となれば、半数が辞める事になりそうです。
 2年前のカリフォルニア州でのセミナーでは、「現在アメリカの自由と繁栄は危機に瀕しており、今こそ立ち上がり、戦うべき時だ」と招待状にあったそうです。
 日本の大手マスコミが横並びで自主規制をし、どうでもよいような論調になっている時、米国でのこうしたマスコミ買収によるオバマ民主党政権奪回を意図したコーク兄弟の政治的活動、その動向をこれからも見守る必要があるでしょう。